吹田市立中央図書館

吹田市立中央図書館：学びと文化の拠点

吹田市立中央図書館は、大阪府吹田市片山公園内にある公共図書館です。吹田市立図書館の9施設（7館2室）の中核を担う中央館として、地域住民に長年愛されてきました。本記事では、その歴史、現状、そして魅力について詳しく解説します。

歴史：市民の学習ニーズに応え続ける図書館

1971年、市制30周年記念事業として、それまでの吹田市民会館からの移転という形で開館しました。当初は床面積822平方メートル、座席数188席と限られた空間でしたが、国や府からの補助金、地方債、一般財源を投じて建設された鉄筋コンクリート造4階建ての建物は、当時としては画期的なものでした。

特に、母子閲覧室と児童屋外閲覧コーナーは、大阪府初となる試みとして注目を集めました。開館当時の蔵書数は3万3386冊、貸出冊数は9万冊でした。開館から数年後には貸出冊数がピークの39万冊を超え、図書館の人気の高さが伺えます。

1978年には吹田市立千里図書館が開館し、それに伴い、当館は「吹田市立中央図書館」と改称されました。その後も市内各地に分館が開設され、現在に至ります。1996年には蔵書数が初めて20万冊を突破するなど、着実に規模を拡大してきました。

2019年には、耐震補強工事と施設の改修工事を目的に長期休館となりました。当初は2020年8月のリニューアル開館を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響で延期され、2021年1月にリニューアルオープンを果たしました。

充実した施設とサービス

中央図書館には、多くの魅力的な設備が整っています。開館当時から、玄関ロビーには大阪万博でニュージーランド館に展示されていた巨大壁画「太平洋」が復元され、来館者を迎えています。また、館内には数々のオブジェが展示され、洗練された空間を演出しています。

リニューアル後、1階には児童書コーナー、絵本・紙芝居コーナー、英語絵本コーナーなどが設置され、子どもたちが楽しく読書できる環境が整えられました。2階には一般書、参考資料、雑誌、マンガ、視聴覚資料などが充実しており、幅広い年齢層の利用者のニーズに応えることができます。

吹田市立中央図書館には、自動車文庫「ゆめぶんこ」も付属しています。27ヶ所のステーションを月1回巡回し、図書館サービスを地域全体に広げています。

蔵書と利用状況

2018年度末時点での蔵書数は25万8206冊にのぼり、うち8万4839冊が開架となっています。同年度の来館者数は17万7588人、貸出冊数は32万3310冊に達しました。これは、9施設中蔵書数で2番目、来館者数と貸出冊数で7番目の実績です。

アクセス

阪急千里線吹田駅、豊津駅から徒歩7分、JR京都線吹田駅から徒歩10分と、公共交通機関を利用して容易にアクセスできます。JR京都線吹田駅からは、阪急バス「市立図書館前」バス停も利用可能です。

まとめ

吹田市立中央図書館は、半世紀以上に渡り、地域住民の学習と文化生活を支える重要な拠点です。歴史ある建物、充実した蔵書、そして親しみやすい空間は、多くの人々にとってかけがえのない場所となっています。これからも、地域社会の発展に貢献していくことが期待されます。

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