咽頭結膜熱
咽頭結膜熱（いんとうけつまくねつ）とは
咽頭結膜熱は、アデノウイルスによって引き起こされる感染症であり、主に発熱、咽頭炎、結膜炎といった症状が現れます。この病気は特にプールの水を通じて感染するため、「プール熱」とも呼ばれることがあります。特に小さいお子さんが多く感染しやすい特徴があります。
主な症状
咽頭結膜熱の症状は多岐にわたりますが、以下のような特徴があります。
- - 発熱: 38℃から40℃の高熱が4日から1週間程度続くことがあります。
- - 咽頭炎: 喉の腫れが進行すると扁桃腺炎を引き起こすこともあります。
- - 結膜炎: この病気では眼の結膜が赤く腫れ、充血することが一般的ですが、通常は永続的な視力障害などは残りません。
特に、生後14日以内の乳幼児が感染すると重症化しやすいため、注意が必要です。全身的な感染症になるリスクも伴います。
感染経路
咽頭結膜熱は主に飛沫感染および接触感染を通じて広がります。アデノウイルスの感染力は非常に強く、口や鼻、喉、さらには目の結膜から体内に侵入します。特に乳幼児が集まる場所での発症が多く見られます。
治療法
この病気に対する特効薬やワクチンは存在しません。そのため、主な治療は対症療法に依存し、熱が下がるのを待つことが中心となります。目の症状が強い場合には専門の眼科による治療が必要です。また、発熱により食事が取りにくくなることから、十分な水分補給と共に柔らかく刺激の少ない食事の摂取が重要です。もしも、ぐったりしたり反応が鈍い場合には、速やかに医療機関を受診することが望ましいです。
熱が下がった後もウイルスは体内に残っているため、症状が収まった後も少なくとも2日間は登校を避けることが求められます。
予防策
咽頭結膜熱を予防するには、以下のような注意が必要です。
また、学校や幼稚園では、主要な症状が消えてからも2日間の出席停止が原則とされています。これはウイルスの排出が続く可能性があるためです。
最近の動向
2023年11月28日には、咽頭結膜熱が「プール熱」と呼ばれることに対する懸念が高まり、関連団体が新たな呼称の適用を求める動きがありました。実際、厚生労働省は「プール熱」という呼称の使用を見直し、咽頭結膜熱としての表記を強調する方針を発表しました。この背景には、プールが病原体の発生源であるかのような誤解を避けたいという意向があります。
定義と関連法規
咽頭結膜熱は感染症法にて5類感染症として認識されています。また学校保健安全法では第二種伝染病に分類されています。これらの法律に基づき、適切な対応が求められています。さらに詳細な情報については、厚生労働省や国立感染症研究所の公式情報が参考となります。
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