固定資産課税台帳

固定資産課税台帳の概要

固定資産課税台帳（こていしさんかぜいだいちょう）は、日本の地方税法第380条第1項に従い、固定資産の評価や課税基準を明示するために市町村が作成しなければならない重要な台帳です。この台帳は、土地や家屋、償却資産など、多様な固定資産の情報を体系的にまとめています。固定資産課税台帳は、以下の5つの台帳を含む総称です。

1. 土地課税台帳
2. 土地補充課税台帳
3. 家屋課税台帳
4. 家屋補充課税台帳
5. 償却資産課税台帳

各台帳はそれぞれ特定の情報を取りまとめており、以下に詳細を示します。

各台帳の詳細

土地課税台帳

この台帳には、登記簿に基づく土地の所有権や質権、地上権の名義人の住所、氏名、土地の基準年度の価格や比準価格が含まれています。これにより、土地の所有状況や課税対象としての評価が明確に示されるのです。

土地補充課税台帳

こちらは、登記簿に登録されていない土地に関する情報を記載するもので、固定資産税が課税可能な土地の所有者情報や所在地、地番、地目、地積、基準年度の価格などが含まれます。この台帳は、固定資産の取りこぼしを防ぐために重要です。

家屋課税台帳

この台帳には、登記簿に登記された家屋の所有者情報や基準年度の価格が記されています。また、不動産登記法に基づく必要な情報も整理されており、家屋の取引や評価に役立ちます。

家屋補充課税台帳

登記されていない家屋に関する情報を取りまとめるこの台帳では、所有者の住所や家屋番号、種類、構造、床面積などが記載されています。これにより、課税の公平性が保たれ、見落としを防ぎます。

償却資産課税台帳

減価償却を行う資産についての情報を扱うこの台帳には、所有者の住所、種類、数量、価格が記載されています。経済状況や資産の移動により税務処理が複雑になるため、ここでの情報整備が鍵となります。

台帳の閲覧と証明書の交付

市町村長は、固定資産税の納税義務者に対して固定資産課税台帳の内容を閲覧できるようにしなければなりません。また、必要に応じて、特定の情報に基づいた証明書を交付する義務もあります。特に、賃借権者や訴訟当事者が証明書を求める際には、関連書類の提出が求められます。

縦覧帳簿の運用

納税者が自己の固定資産を他の資産と比較するために、固定資産税の縦覧帳簿が開示されます。この期間は毎年4月1日から4月20日までの間で、特定の条件に基づいています。これにより、透明性をもって納税者に情報が提供されます。

不服申し立ての手続き

固定資産課税台帳に記載された価格に異議がある場合、納税者は審査の申し出を行うことができます。これには期限が設定されており、納税通知書の交付を受けた日から60日以内に行わなければなりません。

このように、固定資産課税台帳は固定資産に関する詳細な情報を網羅しており、地方税制の透明性と公平性の確保に寄与しています。

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