国連中心主義

国連中心主義について

国連中心主義とは、国家の安全保障や外交政策を国際連合との整合性を重視しながら構築していく考え方です。この理念においては、国連憲章に明記された目的の中でも特に「国際の平和と安全」を追求することが重要視され、それをもとに他の外交活動が展開されることとなります。

日本における国連中心主義

日本において国連中心主義が顕著に表れたのは、第二次世界大戦後、国連に加盟してからのことです。この時期、日本は「自由主義諸国との協調」や「アジアの中の日本」と並んで、国連中心主義を公式な外交政策の基本軸として採用しました。日本の外交は、国連を中心に据えることで、「アジア諸国と米国の2つの立場の真ん中に位置する」ことを目指しています。

1957年の外交青書では、国連中心主義と自由主義諸国との協力の関係について詳しく説明されています。このように、国連が「国際の平和と安全」を維持する機関として機能することが前提とされたことで、日本の外交政策も国連の枠組みを基に組み立てられました。

しかし、国連の常任理事国間の対立が続く中で、実際には自由主義諸国との連携、特に米国との協調が戦後の日本外交の中心となる現実が存在しています。このため、国連中心主義が外交文書の中で使用されたのは1958年までであり、その後は「国連外交」という用語がより一般的に用いられるようになりました。1989年以降の外交青書には国連中心主義の表現が登場しなくなり、文脈が変化したことも重要です。

さらに小沢一郎が提案した自衛隊の海外派遣に関する新たな原則も国連中心主義として言及されることがあります。この提案は、国際連合の安全保障理事会が承認した平和活動に参加する際、憲法に反しないという解釈を基にしています。具体的には、国連憲章第41条や第42条に基づく強制措置であっても、憲法違反とは見なさないという考え方です。

この原則に従い、小沢は湾岸戦争や国際治安支援部隊（ISAF）への自衛隊参加を主張しています。また、自衛隊とは異なる組織として国連支援部隊の創設を求める考えも持っています。このように、国連中心主義は日本の外交方針の中で高い地位を占めており、過去から現在に至るまで様々な形で発展を遂げています。今後の国際社会における日本の役割や立ち位置についても、国連中心主義の考え方は重要な一要素となるでしょう。

関連項目

• - 国際連合
• - 国際連合と日本
• - スープラナショナリズム

出典

• - 1957年外交青書

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