国際プロサッカー選手会

国際プロサッカー選手会（FIFPRO）

国際プロサッカー選手会（Fédération Internationale des Associations de Footballeurs Professionnels、略してFIFPRO）は、1965年にフランス・パリで設立されたプロサッカー選手を代表する国際的な労働組合です。設立当初から、その目的は選手の権利を守り、労働環境の改善に努めることでした。

歴史

FIFPROは、オランダ、イングランド、スコットランド、フランス、イタリアの選手組合の代表者たちによって設立されました。この組織は、世界で初めて複数の選手組合を統括する形で作られたものであり、今では約66,000人を超えるプロサッカー選手を代表しています。設立以来、FIFPROは選手の労働条件の向上や権利の保護に積極的に取り組んでおり、選手のキャリアやウェルビーイングの向上に貢献しています。

1995年には、ジャン＝マルク・ボスマンの移籍に関する裁判を支援し、その結果はサッカー界における移籍のあり方を根本的に変えることとなりました。更に、FIFPROは2005年から「ワールドイレブン」を発表し、2008年からは優れた慈善活動を行った選手を表彰する「FIFPROメリットアワード」を設立しました。

近年では選手のメンタルヘルスや健康問題、ネット上での誹謗中傷やセクシャルハラスメントを題材にした問題にも取り組んでおり、2020年からは国際選手評議会が設立され、現役選手たちが各種課題について議論を行っています。

近年の取り組み

2022年には、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、FIFAがロシアのクラブに所属する外国人選手の契約を一時的に停止することを認めましたが、FIFPROは選手が適切に移籍できるよう無条件で契約解除を求めました。また、同年には特定の国（アルジェリア、中国、タグ、トルコなど）のクラブへの加入について注意を促す声明を発表し、選手たちが契約違反に巻き込まれないように警告しました。

移籍システムの見解

FIFPROは、ボスマン判決から25年以上が経過した現在でも、選手の移籍システムにはさらなる改善が必要であると強調しています。FIFAの現行ルールでは、選手が移籍を希望する場合、契約解除金の支払いが求められ、これはしばしば契約残高を超える高額なものとなるため、選手の選択肢を制限しています。FIFPROは、より公平で透明性のある移籍ルールが必要であり、選手が自由に職場を選べるような環境づくりを目指しています。

加盟組合と国際選手評議会

2023年3月には、66の国・地域がFIFPROに加盟し、カナダ、アイスランド、キルギス、ウズベキスタンの4カ国が正会員候補として登録されています。また、国際選手評議会では、現役選手たちが年に2回会合を開き、サッカー界の発展や選手の問題について話し合っています。

戦歴に関する賞

FIFPROは2005年から2008年までの間に、世界最高の選手を選出するための賞を授与しており、2010年以降はFIFAバロンドールの協力を得て、世界のベストイレブンを発表しています。特に、男女それぞれに適切な権利を尊重した形で表彰を行っています。

FIFPROは今後も、サッカー選手の権利を守り、労働環境を改善するために取り組みを続けていくことでしょう。

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