国際障害者デー

国際障害者デー：理解と社会参加促進への歩み

国際障害者デー（International Day of People with Disability）は、障害を持つ人々への理解を深め、彼らが社会で自立した生活を送れるよう支援する権利を確保することを目的とした、国際的な記念日です。毎年12月3日に、世界各国で様々なイベントや啓発活動が行われています。

この記念日の起源は、1982年に国連総会で採択された「障害者に関する世界行動計画」まで遡ります。そして、その取り組みをさらに発展させるため、1992年の国連総会において、12月3日を国際障害者デーとして宣言しました。

日本においては、国際障害者デーは、障害者を取り巻く社会状況の変化と、積極的な社会参加を促進するための重要な機会となっています。2004年の障害者基本法改正では、国民の理解促進と社会参加の促進が謳われ、従来の「障害者の日」に代わる記念日として位置付けられました。

この法改正は、単なる日付の変更以上の意味を持ちます。それは、障害者に対する社会の認識が、福祉的な支援から、人権擁護と社会参加促進へと大きくシフトしたことを示しています。障害を持つ人々が、社会、経済、文化などあらゆる分野で活躍できる環境を作るための、重要な転換点となりました。

国際的な動きとしては、2006年に採択された「障害者権利条約」が大きな影響を与えています。この条約は、障害を持つ人々の権利を保障し、差別のない社会の実現を目指すものです。日本は2007年にこの条約に署名し、2014年に批准、発効に至りました。

日本政府は、障害者権利条約の批准に向け、障害者基本法の改正（2011年）、障害者総合支援法の成立（2012年）、障害者差別解消法と障害者雇用促進法の改正（2013年）など、様々な法律や制度の整備を進めてきました。これらの取り組みは、国際障害者デーの理念を具体的に実現するための重要なステップとなっています。

国際障害者デーは、単なる記念日ではなく、障害を持つ人々への理解を深め、インクルーシブな社会の実現に向けた、継続的な取り組みを促す日です。障害を持つ人々も、社会の一員として、その能力を最大限に発揮できる環境を作るために、社会全体が意識を高め、具体的な行動を起こしていく必要があります。

国際障害者デーは、障害を持つ人々自身、その家族、支援者、そして社会全体にとって、共に未来を築き、より良い社会を目指していくための、重要な節目となる日なのです。この記念日を通じて、一人ひとりが障害者への理解を深め、共に生きる社会の実現に向けて貢献することが求められています。

今後とも、国際社会と連携し、障害者権利条約の理念に基づいた施策を推進することで、障害のある人もない人も、共に生きやすい社会の実現を目指していくことが重要です。

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