土佐ジロー

土佐ジロー（とさジロー）

土佐ジローは、高知県で特に飼育されている鶏の品種です。この鶏は、卵肉兼用品種として知られており、高知県畜産試験場によって開発されました。具体的には、地元特産の土佐地鶏の雄とアメリカのロードアイランドレッドの雌を交配して誕生した一代雑種です。

特徴

土佐ジローは、そのサイズが比較的小柄で、体重が約1.3kgから1.5kg程度です。そのため、小型の鶏を求める消費者にとって魅力的です。土佐地鶏の特徴を受け継いでいる一方で、交配相手であるロードアイランドレッドが雌の方が体格的に大きいため、自然交尾が難しいという特性があります。これにより、商品生産には人工授精が必要となりました。

繁殖と生産性

土佐ジローの繁殖はやや手間がかかり、生産性に影響を及ぼす要因となっています。これを解消するため、高知県畜産試験場では土佐ジローの品種を固定化する研究が進められています。品種固定が行われることで、次世代の土佐ジロー同士を交配することで、より多くの土佐ジローを生産できるようになり、結果的に生産性が向上しました。

ジローという名前は、地鶏の「ジ」と、ロードアイランドレッドの「ロー」を組み合わせたものです。このため、土佐ジロー以外の名称である「土佐タロー」や「土佐イチロー」といった品種は存在しません。

さらなる改良の試み

土佐ジローの生産性向上に向けた一環として、ロードアイランドレッドを小型化する試みも行われました。しかし、このアプローチには問題がありました。すでに小柄な土佐ジローがさらに小型化されることで、肉質や卵質に悪影響を及ぼす可能性があったため、この計画は最終的に見送られることになりました。

その結果、試験的に生まれた小型のロードアイランドレッドは、ペット用として「プチコッコ」という名称で販売されましたが、鳥インフルエンザの影響により販売が一時自粛されました。しかし、2010年代後半には再び市場に戻ってきました。

終わりに

土佐ジローは、高知県の特色を持つ鶏として、地域の食文化や畜産業に寄与しています。人工授精などの工夫を通じて、その存在感を更に強めていると言えるでしょう。高知県畜産試験場ではこれからも土佐ジローの改良や普及に向けて努力していくことでしょう。

もう一度検索