地下鉄に乗るっ

京都市交通局「地下鉄に乗るっ」プロジェクト

『地下鉄に乗るっ』は、京都市交通局が推進する、京都市営地下鉄と市バスの利用促進を目的としたプロジェクトの総称です。このプロジェクトでは、「太秦萌（うずまさもえ）」、「松賀咲（まつがさき）」、「小野ミサ（おのみさ）」といった魅力的なキャラクターたちが活躍し、ポスター、アニメCM、グッズ、ライトノベル、他団体とのコラボレーションなど、多岐にわたる展開で親しまれています。

プロジェクトの背景と誕生

京都市営地下鉄は、1981年の開業以来、路線を順次拡大してきました。しかし、東西線の建設費用が高騰し、利用者の伸び悩みも重なり、経営は厳しい状況にありました。そこで、京都市は2010年に経営健全化計画を策定し、その一環として「京都市地下鉄5万人増客推進本部」を設置。その下部組織として、若手職員による「増客チーム」が結成され、その中の「燃え燃えチャレンジ班」がキャラクターを生み出しました。

2011年、階段利用促進キャンペーンの応援キャラクターとして、太秦萌が登場。その後、太秦萌の幼なじみとして松賀咲と小野ミサが加わり、キャラクターを利用した磁気カード乗車券も発行されました。2012年には、太秦萌の家族が登場する4コマ漫画が車内広告として掲載され、市バス100周年記念ラッピング車両にも太秦萌がデザインされるなど、徐々に露出が増えていきました。

リファインと展開

2013年、京都市交通局は太秦萌を使用した地下鉄利用促進ポスターのデザインコンペを実施。GK京都の提案が採択され、太秦萌、松賀咲、小野ミサの3名がリニューアルされました。デザイナー賀茂川によってデザインされたキャラクターと「地下鉄に乗るっ」のキャッチコピーがデザインされたポスターは、ネットを中心に大きな話題を呼びました。以降、このプロジェクトは「地下鉄に乗るっ」と呼ばれるようになります。

人気を得た本プロジェクトは、京都学園大学や京都国際マンガミュージアムとの提携による新キャラクターの誕生、京都市動物園や二条城といった施設を舞台にしたポスター制作など、他団体とのコラボレーションを展開。さらに、2014年にはアニメCMが制作され、声優コンテストで選ばれた中学生・高校生の声優たちがキャラクターに命を吹き込みました。

さらなる展開

2015年には、クラウドファンディングによる短編アニメーションの制作が企画され、目標金額を大幅に上回る資金を集めました。また、男性キャラクターの追加や、東京でのイベント開催など、活動の幅を広げていきました。

2020年以降は、コロナ禍の影響でイベント開催が困難になる中、「お家にいるっ」ポスターを制作するなど、状況に応じた展開を行いました。2021年には、広報キャラクター京乃つかさが加わり、新たなポスターシリーズ「日常シリーズ」も制作されました。しかし、財政状況の悪化により、活動は縮小傾向となっています。

魅力的なキャラクターたち

プロジェクトには、駅名にちなんだ名前を持つ、個性豊かなキャラクターが登場します。

太秦萌: カメラが趣味の高校二年生。
松賀咲: 陸上部に所属する、太秦萌の幼なじみ。
小野ミサ: 軽音部でギターを担当する、太秦萌の幼なじみ。
太秦麗: 太秦萌の姉で、学芸員。
小野陵: 小野ミサの兄で、デザインを学ぶ大学生。
十条タケル: パン職人見習いで、小野陵の親友。

これらのキャラクターたちは、ポスターやグッズ、アニメなどを通じて、京都市の魅力を発信し続けています。

「地下鉄に乗るっ」プロジェクトは、京都市営地下鉄・市バスの利用促進だけでなく、地域活性化にも貢献する、魅力的な取り組みです。

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