坂本光一

坂本光一：野球からラリー、そして小説へ

1953年千葉県松戸市生まれの坂本光一氏は、日本の小説家として知られています。東京大学農学部卒業という学歴を持ち、在学中は東京六大学野球で活躍した経歴も持ち合わせています。卒業後は三菱商事に勤務し、国際的な大規模プロジェクトにも携わっています。

三菱商事時代とラリーへの挑戦

三菱商事勤務時代には、ユーラシア大陸16,000kmを横断するパリ-モスクワ-北京ラリーの社内プロジェクトの中核を担いました。このプロジェクトの実現に向けた1000日間に及ぶ奮闘は、後に『幻のラリー　復活への1000日』として、本名である太田俊明名義で出版されています。同書には、プロジェクト推進における困難や成功までの道のりが克明に綴られています。

小説家としての歩み：江戸川乱歩賞から日経小説大賞へ

小説家としてのデビューは、高校野球を題材にしたミステリー小説『白色の残像』です。初応募ながら第34回江戸川乱歩賞を受賞するという快挙を成し遂げました。その後、複数の小説を発表した後、執筆活動を中断する期間がありましたが、2013年に東京メトロポリタンテレビジョンを定年退職したのを機に、小説執筆を再開しました。そして2016年、『姥捨て山繁盛記』で第8回日経小説大賞を受賞。これは、本名での再デビューとなりました。

多様なテーマと執筆スタイル

坂本氏の作品は、高校野球や国際ラリーといった自身の経験が反映されているものから、歴史を題材にした作品まで幅広く、多様なテーマが取り上げられています。ミステリー、ノンフィクション、歴史小説など、ジャンルも多岐に渡ります。それぞれの作品において、綿密な取材と緻密な構成が特徴で、読者の心を掴むストーリーテリングに定評があります。

主要作品一覧

坂本光一名義

『白色の残像』（1988年）：第34回江戸川乱歩賞受賞作。高校野球を舞台にしたミステリー小説。
『ダブルトラップ』（1989年）：スリリングな展開が特徴的なミステリー。
『ヘッドハンター』（1991年）：企業戦略をテーマにした作品。
『五色の変化球』（1992年）：野球を題材にした作品。

太田俊明名義

『幻のラリー 復活への1000日』（1992年）：三菱商事時代に携わったパリ-モスクワ-北京ラリーのプロジェクトを記録したノンフィクション。
『姥捨て山繁盛記』（2017年）：第8回日経小説大賞受賞作。
『一身二生 吉宗の遺言』（2018年）：歴史を題材にした作品。
『沢村栄治 裏切られたエース』（2021年）：野球選手、沢村栄治を題材にした作品。

まとめ

坂本光一氏は、野球選手、企業人、そして小説家として、多様な人生経験を積んできました。それぞれの経験が、氏の作品に深みと奥行きを与え、読者に深い感動を与え続けています。今後も、氏の創作活動から目が離せません。

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