垂木

垂木（たるき）について

垂木は、木造や鉄骨構造の建築物において、屋根を形成するための小屋組に使用される重要な部材です。一般的には、軒桁、母屋、棟木の上に等間隔で配置され、その上に野地板や構造用合板が張られます。これにより、屋根の下地が整えられます。

概要

垂木は多くの場合、天井や鼻隠しによって隠されますが、デザインによっては勾配を持たせた化粧材の垂木を表に出して設置することもあります。表に見える垂木は「化粧垂木」と呼ばれ、下に隠れているものは「野垂木」として区別されます。通常、10年から15年生の杉の小径の丸太が使われ、仕上げは磨丸太と同様のプロセスで行われます。また、萱葺や藁葺の屋根では、竹も利用されることがあります。このような竹で作られた垂木を「垂木竹」と言い、特に社寺建築では、装飾的な要素を持つ「尾垂木」や二重配置の「二軒」といった垂木も存在します。

配置

一般的な木造建築では、垂木は屋根の流れ方向に平行に、一定間隔で配置されるのが一般的です。隅木が痛む寄棟造の建物では、隅木の形状に影響されて、長さの異なる垂木を用いることもあります。垂木を特定間隔で配置することを「垂木割り」と呼び、この割り方には「真納め打ち」や「手ばさみ打ち」といった形式があります。また、住宅や古建築では、特別な配置方法があり、さらにバリエーションが豊かです。特に、中国からの影響を受けた日本の寺院建築では、「扇垂木」として棟から放射状に配置されることもあります。

接合

垂木は棟木や母屋、軒桁といった主要な構造材に接合され、釘やビスを用いて固定されます。垂木が長くなる場合は継ぎ手が生じ、この際にはいくつかの接合方法が用いられます。例えば、棟木と垂木の接合は「拝み合わせ」や「垂木彫り」、「面欠き」などの技術が採用されます。

さらに、屋根の広さによっては、一般的な長さを超えた垂木が必要となる場合があります。その際には「突付継ぎ」や「そぎ継ぎ」といった方法で材木を継ぎ足します。いずれの場合も、釘やビスでしっかりと固定が施されます。

このように、垂木は単なる構造材ではなく、建物全体のデザインと機能性に大きな影響を与える要素であることが分かります。正確な配置や接合方法を駆使することで、耐久性や美しさを兼ね備えた屋根を形成することができるのです。

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