外交青書

外交青書について

外交青書（がいこうせいしょ）、英語ではDiplomatic Bluebookは、外務省により作成される日本の外交に関する重要な文書です。この文書は、主に日本が直面している国際情勢や、それに対する外交政策を詳細に説明する一次資料としての役割を果たしています。

歴史的背景

外交青書は、1957年（昭和32年）に「わが外交の近況」として初めて発刊され、それ以降ほぼ毎年発行されています。1987年（昭和62年）からは「外交青書」という名称が正式に用いられるようになりました。これは、外交における情報の収集と公開の重要性が高まる中、日本の外交方針を国民に理解してもらうための重要な取り組みとして位置づけられています。

内容の特徴

外交青書は、主に日本を取り巻く国際情勢と、それに対する日本政府の外交方針を詳細に記述しています。特に、近隣諸国である韓国、北朝鮮、中国、ロシアとの関係については重点的に詳述されており、近年の国際的な動向を反映した内容となっています。

巻末には、研究の基礎資料として活用できる資料編が掲載され、外交政策に対する理解を深めるための情報が提供されています。また、有名人によるコラムも掲載され、一般の読者に対しても身近に外交問題を感じてもらえる工夫がなされています。たとえば、平成17年版にはプロ野球選手の松井秀喜氏や長谷川滋利氏、平成18年版には人気歌手のPUFFYが登場し、外交についての考えを述べています。

近年の関心事

近年では、軍事的な不透明さが目立つ北朝鮮及び中国の動向、また、イラクやアフガニスタンのように戦争の影響を受けた地域や、核開発の疑いがあるイランの情勢が特に重要視されています。外交青書では、これらの国々との関係の中で日本が直面する課題が具体的に述べられています。特に北朝鮮に対しては、日本人拉致問題や弾道ミサイル発射、核実験などを取り上げ、日本にとっての脅威として示されています。

中国に関しても、2007年の衛星破壊や不透明な軍事費の増加についての懸念が明確に示されています。

公開の取り組み

外交青書は非常にアクセスしやすい資料で、外務省のホームページを通じて1957年からの全号が公開されています。誰でも自由に閲覧でき、外交問題への関心を持つ多くの人々にとって貴重な情報源となっています。また、英語版も作成されており、海外の人々にも日本の外交政策や国際情勢について理解してもらうための努力が行われています。

青書の由来

「外交青書」と呼ばれる理由は、元々作成を始めた際に参考としたイギリス議会の外交委員会の報告書の表紙が青色だったことに由来しています。このように、日本の外交に関する情報を厳格に整理し、広く市民に共有するための文書として、外交青書は今日でも重要な役割を果たしています。

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