夜間頻尿

夜間頻尿について

夜間頻尿は、国際排泄機能学会（ICS）によって「夜間に排尿のために1回以上起きなければならないという訴え」と定義されています。これは、夜間の睡眠を妨げ、生活の質（QOL）を低下させる可能性があります。

診断

夜間頻尿の診断には、夜間尿量（NUV）を知ることが重要です。NUVは、「眠るつもりでベッドに入り、起きるつもりで目覚めるまでの間に排泄した尿の総量」と定義されます。排尿日誌を記録し、医師が患者を全体的な多尿、夜間多尿、蓄尿問題のいずれかに分類します。

原因

夜間頻尿の原因は様々ですが、主なものとして以下の3つが挙げられます。

1. 多尿

多尿とは、尿が過剰に分泌または排泄される状態です。多尿には、睡眠時間に関わらず尿が過剰に分泌される全身性多尿と、夜間の尿量が増加する夜間多尿があります。

全身性多尿: 水分摂取量の増加や糖尿病などが原因となります。
夜間多尿: 夜間の尿量が増加し、昼間の尿量が減少します。夜間多尿指数（NPi）が正常24時間尿量の35％以上であると換算できます。

2. 蓄尿障害

膀胱の容量は人によって異なり、400〜600mL程度とされています。蓄尿障害は、膀胱の容量に影響を及ぼす下部尿路症状に関連し、少量の尿を排泄する頻度が増加します。

3. その他

上記以外にも、睡眠障害が夜間頻尿の原因となることがあります。

管理

夜間頻尿の症状を管理するためには、生活習慣の改善が有効です。

カフェインやアルコールの摂取を控える: カフェインとアルコールには利尿作用があるため、摂取を控えることが推奨されます。
飲物の摂取を調節する: 特に就寝前3時間以上の水分摂取を避けることで、膀胱に蓄えられる水分を減らすことができます。
足に水分がたまるのを防ぐ: 着圧ストッキングや着圧タイツを着用することで、足に水分がたまるのを防ぎます。

その他の情報

夜間頻尿に悩む場合は、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。生活習慣の改善と合わせて、医師の指示に従った治療を行うことで、症状の改善が期待できます。

関連項目

排尿障害
神経因性膀胱
過活動膀胱
* 前立腺肥大症

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