天使の聖母トラピスチヌ修道院

天使の聖母トラピスチヌ修道院の紹介

天使の聖母トラピスチヌ修道院は、北海道函館市の郊外に位置する女子修道院で、厳律シトー会の一員であり、一般には「天使園」として知られています。この修道院は、日本で初めて設立された観想女子修道院として、1898年にフランスから派遣された八人の修道女によって創立されました。

修道院は、一般の訪問者に開放された美しい庭園や売店を備えており、気軽に見学することができます。ただし、修道院内部は男子の立ち入りが制限されていますが、庭園や売店では修道院の特産品であるマダレナ（マドレーヌ）やクッキーが購入でき、これらは函館土産としても非常に人気があります。

沿革の概要

この修道院は、創立以来、数度の火災に見舞われたりしながらも、地域に根ざした活動を続けてきました。初代カトリック函館教区長の要請で、コンソラシオン修道院の院長であるベルナール・ファーブルが建設を決意したのが1896年のことです。1898年にはフランス・ウプシー修道院から8名の修道女が函館に到着し、「天使の聖母トラピスチヌ修道院」として正式に創立されました。

その後、1899年には最初の日本人志願者が入会し、1905年には本館のレンガ造りの2階建ての建物が完成しました。1907年に函館大火が発生した際には、他の修道院の修道女たちが世話をしていた孤児たちを受け入れ、避難所として機能しました。

この修道院は、独自のチーズやバターの製造も手掛けており、1912年にはオランダ種クリーム・チーズの製造を開始し、さらにバター製造も始まりました。まとめると、1913年には本館の正面棟と聖堂が落成し、1925年に火災で焼失した後も再建され、1927年にはスイス人建築家マックス・ヒンデルによる設計で再建されました。修道院の共同体は1932年には100人を超えるほど成長しました。

第二次世界大戦中の1941年には、再び火災に襲われましたが、その後の数十年にわたり、活動を続けていきました。1980年代には、韓国への分院を設立することが決定され、1987年には「水晶の聖母修道院」が設立されました。さらに1998年には創立100周年を迎え、多くの訪問者や信徒と共に祝典を行いました。

現在の活動

現在、天使の聖母トラピスチヌ修道院は、観光地としても知られており、訪れる人々は修道院の静寂で美しい環境の中で、心静かなひとときを楽しむことができます。庭園の散策や、売店での特産品購入を通じて、修道院の歴史と精神に触れることができる貴重な場所です。また、かつては製造されていたバターあめが2013年に製造を終了したものの、修道院は今も変わらず地域に貢献し続けています。

修道院を訪れた際には、ぜひ庭園の美しさや、心温まる商品を手に取ってみてください。それが、天使の聖母トラピスチヌ修道院での思い出の一部となることでしょう。

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