太田記念美術館

太田記念美術館

東京都渋谷区にある太田記念美術館は、浮世絵を専門に扱う私設美術館で、1980年1月に開館しました。この美術館は、実業界で著名な5代目太田清蔵の個人コレクションに基づいて設立され、現在では約1万2千点以上の浮世絵関連作品を収蔵しています。

コレクション内容

本美術館のコレクションには、肉筆浮世絵約500点、版画約1万点、版本や骨董品約200点、さらに旧鴻池コレクションからの扇面画約900点と、浮世絵研究家からの寄贈品が含まれています。毎年、新たな収蔵品も追加され、多様な展示が行われているため、訪れる度に新しい発見が期待できます。

施設の概要

美術館の住所は、東京都渋谷区神宮前一丁目10番10号です。開館時間は午前10時30分から午後5時30分で、入館は午後5時までとなっています。休館日は毎週月曜日（祝日の場合は翌日）や展示替え期間、年末年始などで、最新の情報は公式ウェブサイトで確認できます。入館料は展示内容によって異なるため、訪れる前にチェックが必要です。10名以上の団体予約も受け付けています。

展示の特徴

この美術館の展示スタイルは、開館前の1977年に試行されたテーマごとに特別展を行う形式を引き継いでおり、年に約12回の特別展が開催されます。また、太田清蔵がボストン美術館で得た和風の落ち着いた雰囲気を再現する工夫がなされています。以前は入館時に履物を脱ぐ必要がありましたが、2014年12月の改修工事により、靴のままで入館できるようになりました。

美術館内には中央に石庭が設けられており、奥には畳敷きの座敷もあります。観客はそこに上がり、床の間に飾られた肉筆画を見上げて鑑賞する独特の体験が用意されています。

主な収蔵品

美術館には、多数の優れた錦絵や肉筆浮世絵が収蔵されています。例えば、鈴木春信による「風流うたひ八景」や、勝川春章の「五条大橋の牛若丸と弁慶」、葛飾北斎の「雨中の虎図」など、名作が揃っています。また、肉筆浮世絵では、菱川师宣の「不破名護屋敵討絵巻」や宮川長春の「美人立姿図」なども観覧できます。

アクセス

アクセスも便利で、JR山手線の原宿駅から表参道口を出て徒歩5分、東京メトロ千代田線および副都心線の明治神宮前駅からは5番出口より徒歩3分の距離です。ただし、駐車場は用意されていないため、公共交通機関の利用をおすすめします。

このように、太田記念美術館は、その豊富なコレクションと独自の展示スタイルで、訪れる人々に魅力的な浮世絵の世界を提供しています。

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