姉なるもの

『姉なるもの』：クトゥルフ神話と少女愛が交錯する異世界譚

『姉なるもの』は、漫画家・飯田ぽち。によるダークファンタジー漫画作品です。成人向け同人誌として始まった本作は、2016年より『電撃G'sコミック』で連載を開始。同誌休刊後もComicWalkerやニコニコ静画といったプラットフォームで連載が継続され、現在も多くの読者から支持を得ています。

本作最大の特徴は、クトゥルフ神話の世界観と、おねショタ要素を巧みに組み合わせている点にあります。クトゥルフ神話の怪奇で神秘的な雰囲気と、少年少女の繊細な感情描写が見事に融合し、独特の世界観を作り上げています。読者は、予測不能な展開と、胸を締め付けるような感情の波に巻き込まれていくことでしょう。

物語の中心人物は、両親を亡くし親戚の家を転々とする少年・夕です。彼はある日、神もしくは悪魔と呼ばれる存在・千夜に出会います。千夜は夕の願いに応え、「姉」として彼の傍に寄り添うことになります。しかし、この姉弟のような関係は、決して平穏なものではありません。クトゥルフ神話に由来する不可解な出来事や、千夜の正体に関する謎が、物語に緊張感と深みを与えています。

千夜の声優はCMにおいて堀江由衣が務めており、彼女の繊細で力強い声が、千夜の複雑なキャラクター性をより際立たせています。

『姉なるもの』はKADOKAWAから『電撃コミックスNEXT』レーベルで単行本が刊行されており、2022年3月時点で6巻が発売されています。それぞれの巻には、夕と千夜、そして彼らを取り巻く様々なキャラクターたちのドラマが凝縮されています。

また、2020年にはOVA化が発表されましたが、2024年6月現在、公開は未だされていません。OVA化の発表は、本作の人気を示す大きな指標であり、ファンからの期待は非常に高まっています。

2017年には「第3回次にくるマンガ大賞」コミックス部門で6位にランクインするなど、高い評価を獲得しています。この受賞は、本作のストーリー、キャラクター、そして独特な世界観が、多くの読者に支持されていることを証明しています。

『姉なるもの』は、クトゥルフ神話という異質な要素を取り入れながらも、普遍的なテーマである「家族」「絆」「愛」を深く掘り下げた作品です。少年と少女、そして彼らを取り巻く世界が織りなす、複雑で魅力的な物語は、読者に忘れられない感動を与えてくれるでしょう。その独特な世界観と魅力的なキャラクターに惹かれた読者は、ぜひ一度、この作品に触れてみてください。

主な登場人物

夕（ゆう）：両親を亡くし、親戚を転々とする少年。孤独の中で、千夜との出会いを求める。
千夜（ちよ）：神もしくは悪魔と呼ばれる存在。夕の願いを聞き入れ、「姉」となる。その正体は謎に包まれている。

書誌情報

作者：飯田ぽち。
レーベル：電撃コミックスNEXT（KADOKAWA）
既刊：6巻（2022年3月時点）

受賞歴

第3回次にくるマンガ大賞 コミックス部門6位（2017年）

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