学校基本調査

学校基本調査について

学校基本調査（がっこうきほんちょうさ）は、日本の文部科学省が実施する重要な統計調査です。この調査は、学校教育法に基づいて運営され、すべての教育機関および市町村教育委員会を対象に毎年行われます。調査は、日本の教育政策の基礎となる情報を提供するために、さまざまな項目にわたるデータを収集します。

調査の目的と対象

学校基本調査の主な目的は、日本の教育システムに関する包括的なデータを収集し、教育政策の立案や教育行政の基礎資料を提供することです。調査対象には、全国のすべての学校、具体的には小学校、中学校、高校、及び高等教育機関が含まれています。また、地域の教育委員会も対象に含まれ、教育現場の実態を経年で把握することができます。

調査項目

この調査で収集されるデータには、以下のような項目があります。

• - 5月1日時点の学校数
• - 各学校の学級数（小学校、中学校、高校など）
• - 大学などの学部数
• - 在学者数および長期欠席者数
• - 教職員の数
• - 学校敷地の面積
• - 学校建物の面積
• - 学校経費
• - 卒業生の進路状況

これらの情報は、学校の運営状況を把握するだけでなく、地域や全国レベルでの教育施策を見直すために不可欠なデータとなります。

調査の実施方法

調査は、電子調査票と紙の調査票の2つの方法で実施されます。各学校の長（校長や学校設置者の長）によって回答がなされ、電子調査票の場合は、必要な情報を端末から送信します。一方、紙の調査票は、国立学校の場合は文部科学省に、都道府県立学校や私立学校の場合はその都道府県に、市町村立学校の場合は市町村に提出されます。
ただし、都道府県によっては独自の収集方法を採用していることもありますが、最終的にはすべてのデータが都道府県を通じて文部科学省に集約されます。

データの集計と公開

文部科学省は、この調査を通じて収集したデータを集計し、実施年の8月に速報を公表し、その後12月ごろには確定値として調査報告書を発表します。これらのデータは、教育政策の策定において重要な資料として使用されています。具体的には、地方交付税の算定や教育施策の効果分析などに利用され、教育に関連する意思決定に寄与しています。

歴史

学校基本調査は、1948年5月17日に始まり、統計法が施行された翌年に指定統計として取り扱われることとなりました。それ以前も文部省は定期的に学校から報告を受けてデータを集計し、年報などで公表していましたが、学校基本調査はその内容と方法を統合・再検討した結果の制度です。2001年に改編された中央省庁により文部科学省の所管となり、2003年にはオンライン調査が導入されました。2007年の統計法改正に伴い、学校基本調査は基幹統計として位置づけられています。

このように、学校基本調査は日本の教育の基盤を支える重要な調査であり、教育現場における統計的なデータ収集を通じて、より良い教育環境の整備を目指しています。

もう一度検索