安部敏樹

安部敏樹の経歴と活動概要

安部敏樹（あべ としき、1987年7月7日生まれ）は、日本の起業家であり、株式会社Ridiloverおよび一般社団法人リディラバの代表を務めています。彼は、社会問題を解決するための活動を通じて、強い影響力を持つ存在として評価されています。

生い立ちと教育

安部は京都府長岡京市に生まれ、その後神奈川県の横浜市で育ちました。横浜国立大学教育人間科学部附属の小学校を卒業後、横浜国立大学附属の中学校に進学しましたが、2年次より不登校がちとなりました。この時期、家庭環境の問題も重なり、安部は家を追い出されるという経験をしました。

学習院高等科では、3年次まで仮進級となり、校内ランキングでは最低位の201位、評定平均も1.8という状況でした。しかし、ここから彼は自身の進学への意欲を高め、横浜国立大学の経済学部に合格。さらに東京大学文科二類へ進学し、理転して教養学部にて広域科学学科を卒業後、大学院に進学しました。特に「個と群れの相互作用」というテーマを研究対象とし、専門性を高めていきました。

起業家としての道

安部は24歳で東京大学教養学部において社会起業に関する授業を担当し、開発教育の重要性を早くから認識していました。2009年には「社会の無関心を打破する」という理念のもと、社会問題を学ぶスタディツアーを提供する学生団体「リディラバ」を設立しました。この団体は、2012年に一般社団法人として法人化され、その後2013年には株式会社Ridiloverとして本格的に事業展開を開始しました。

リディラバの活動内容

リディラバは、設立当初は社会問題のスタディツアーから始まりましたが、次第に調査報道事業、問題の共有に向けた社会化事業、さらには社会資源の導入に関する事業開発や政策立案へと活動を拡大していきました。安部は、自身が少年期に抱えていた問題意識と大学時代に行ったフィールドワークの経験を活かし、未解決の社会問題を解決するためには社会の無関心を打破することが不可欠であると信じています。

メディアへの出演と社会的影響

安部は、特にコメンテーターとしての活動が評価されており、2018年には調査報道メディア「リディラバジャーナル」を立ち上げました。彼は多くの報道番組に出演し、自己責任論に対して明確に否定する立場を取っています。出演時には、リディラバのロゴが入ったTシャツを着用し、彼の鋭い発言とともに注目を集めています。

また、安部は竹中平蔵氏との共著で対談本を出版しており、社会的な意見の相違にも注目が集まっています。彼はグロービス経営大学院でも頻繁に登壇し、2021年にはG1新世代リーダー・サミットにおいて初のモデレーターを務めました。

未来へのビジョン

安部は、2060年には世界的な社会問題解決市場が7000兆円に達すると予測し、その10%をリディラバが担う存在になることを目指しています。また、「社会問題について誰もが相談できる存在になりたい」とも語っています。彼の発言には、社会と企業の関係性についての深い考察があり、企業が社会的課題を見つけ、解決するためには現場に足を運ぶことの重要性を訴えています。彼の活動は単なる起業家としての枠を超え、新しい社会の在り方を示唆する力強いメッセージとなっています。

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