室見川

室見川（むろみがわ）

室見川は福岡県を流れる二級河川で、主に福岡市を通り、博多湾へと注いでいます。この川は美しい自然と多様な生態系を育む重要な水源として知られています。

地理

室見川の源は福岡県糸島市瑞梅寺にあり、北に向かって流れていきます。福岡市西区愛宕浜と早良区百道浜との境界を越え、河口では博多湾に合流します。上流には、福岡市民の重要な水源である曲渕ダムがあります。その上流には八丁川が流れ、野河内渓谷などの自然豊かな景観を織りなしています。さらに上流には水無鍾乳洞も存在し、観光スポットとしても知られています。

中流域には農耕地が広がり、「ホタルの里」として名高いその地域では、1989年に環境庁の「ふるさといきものの里100選」に選定されました。下流には延長4.7kmの室見川河畔公園が広がり、地域住民の憩いの場となっています。この公園は1993年度に「福岡アメニティ百選」にも選ばれています。

毎年、2月から4月初旬にかけては、特徴的な河口付近での白魚の遡上が見られ、地元の名物として親しまれています。

自然

室見川では、福岡市の中心部を流れるにも関わらず、毎年100種類以上の野鳥が観測されています。特に河口部では冬季にスズガモやカモメが見られ、下流から中流にかけてはカワセミ、バン、カイツブリなどが観察されます。さらに上流にはヤマセミやカワガラスといった渓流の鳥たちが生息しています。1984年には日本初となるハシボソカモメが観察されるなど、室見川は貴重な生物多様性を有しています。

魚類も豊富で、下流域の浅瀬や干潟にはシロウオが生息しており、中流域には準絶滅危惧種のオヤニラミ、上流域ではヤマメが見られます。

河川施設および支流

室見川にはいくつかの河川施設が存在し、曲渕ダムを起点として流れています。その他にも数多くの橋梁が架けられており、特に落合橋、大井出橋、松風橋などが主要な交通路となっています。また、福岡市の交通機関も利用でき、河口部や下流部は地下鉄でアクセス可能です。

流域の観光地

室見川の流域には、マリナタウン海浜公園やシーサイドももち海浜公園といった魅力的な観光スポットが点在しています。訪れる人々は自然を楽しみながら、心地良い時間を過ごすことができます。

交通手段

河口や下流部へのアクセスは福岡市営地下鉄の利用が便利です。中流部や上流部へは駐車場が限られているため、車で訪れる際は注意が必要です。

室見川は、自然の美しさや多様な生態系、地域の文化などが見事に融合した魅力的な場所です。散策や観察を通じて、福岡の隠れた魅力を感じてみることをお勧めします。

もう一度検索