宮沢孝幸

宮沢孝幸氏：経歴、研究、物議を醸した発言、そしてその後

宮沢孝幸氏は、獣医学を専門とする研究者です。東京大学を卒業後、同大学院で博士号を取得し、その後、大阪大学、帯広畜産大学などを経て、京都大学医生物学研究所附属感染症モデル研究センター准教授に就任しました。2024年5月には京都大学を退職しています。

研究活動

宮沢氏の専門は動物由来ウイルス、特にネコのレトロウイルスと内在性レトロウイルスの研究です。「にゃんこ先生」を自称するほど猫に造詣が深く、長年に渡り、これらのウイルスの感染機構や宿主との共進化について研究してきました。研究成果は、数々の学術論文や著書に反映されています。日本獣医学学会賞やヤンソン賞など、数々の賞を受賞しています。

2020年以降の活動

新型コロナウイルス感染症の世界的流行が始まった2020年以降、宮沢氏は積極的に情報発信を行い、注目を集めました。分かりやすい言葉でウイルスに関する情報を発信する一方、「100分の1作戦」「目玉焼き理論」といった独自の感染対策を提唱しました。これらの発信はSNSで広く拡散され、多くのメディアにも取り上げられました。

しかし、その後、新型コロナウイルスに関する宮沢氏の発言は物議を醸すこととなります。COVID-19の人工ウイルス説や、ワクチンの危険性、集団免疫獲得のための積極的な感染戦略など、専門家の間で異論の多い主張を繰り返し行いました。これにより、京都大学には多数の苦情が寄せられ、大学からSNS自粛要請が出される事態にもなりました。

研究不正問題

帯広畜産大学在籍時には、研究費の不正処理に関与したとして、科研費応募資格停止措置を受けるなどの処分を受けています。この件については、学術界における倫理規定違反として問題視され、その後も研究活動に影を落とすこととなります。

メディア出演と著書

宮沢氏は、数多くのテレビ番組やラジオ番組に出演し、自身の見解を積極的に発信しています。特に、新型コロナウイルスに関する発言は、大きな論争を呼ぶこととなりました。自身の主張をまとめた著書も多く出版しており、『京大 おどろきのウイルス学講義』はベストセラーとなりました。一方で、『ウイルス学者の絶望』など、COVID-19ワクチンへの批判を強めた著作も出版しています。

研究活動以外

趣味はピアノと園芸。また、栃木小1女児殺害事件の控訴審では弁護側証人として出廷するなど、幅広い活動を行っています。

現在

2024年5月に京都大学を退職した後、現在も精力的に活動しており、その発言や行動は社会に大きな影響を与え続けています。彼の主張の真偽や、研究活動との関係性については、現在も多くの議論が交わされています。京都大学退職の理由についても、依然として明確な説明はなされていません。今後、彼の活動がどのような展開を見せるのか注目されます。

主な著書
『京大 おどろきのウイルス学講義』
『ウイルス学者の絶望』
『ウイルス学者の責任』
『なぜ私たちは存在するのか ウイルスがつなぐ生物の世界』
『コロナ脳 - 日本人はデマに殺される』(小林よしのりとの共著)
『コロナワクチン 失敗の本質』(鳥集徹との共著)

関連人物
小林よしのり、鳥集徹、長尾和宏、青山雅幸、武田邦彦など、多くの著名な人物と交流があります。

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