富山ガラス造形研究所

富山市立富山ガラス造形研究所：ガラス芸術の未来を担う拠点

1991年、富山市西金屋に開校した富山市立富山ガラス造形研究所は、日本で唯一の公立ガラス造形専門学校です。富山の歴史と深く結びついたガラス産業の伝統を継承し、現代のガラス芸術を牽引する人材育成に力を注いでいます。

富山とガラス産業の深い繋がり

富山市は、かつて盛んな製薬産業で知られていました。明治時代以降、薬のガラス瓶製造が発展し、多くのガラス工場が操業していました。しかし、太平洋戦争後、ガラス産業は衰退しました。この状況を打破しようと、富山市は1985年に富山市民大学にガラス工芸コースを開設、ガラス産業の復興を目指しました。そして、プロのガラス造形作家育成を目的とし、1991年に富山市立富山ガラス造形研究所が設立されました。

建学の精神と教育

研究所は、高度なガラス造形技術と豊かな創造性を兼ね備えた人材育成を目標に掲げています。そのため、実践的な技術指導はもちろんのこと、創造性を刺激する教育カリキュラムを用意しています。

充実した教育環境

研究所は、11,853㎡の敷地に広大な工房と設備を備えています。学生は、最新の設備を用いて、自由な発想を形にすることができます。また、国内外から招へいされた著名なガラス作家によるワークショップや講習会も定期的に開催され、学生たちは最先端の技術や表現方法を学ぶ機会に恵まれています。

2つの学科

研究所には、造形科と研究科の2つの学科があります。造形科は2年間の課程で、高校卒業者または同等の学力を持つ者が入学できます。卒業時には「ガラス造形専門士」の称号が授与されます。研究科は、造形科卒業者または同等の知識・技量を持つ者を対象とした2年間の課程です。卒業時には「ガラス造形研究専門士」の称号が授与されます。

卒業後の進路

卒業生は、国内外のガラス工房への就職、独立開業、教育機関への就職・進学など、様々な道を歩んでいます。多くの人がプロのガラス作家として活躍し、日本のガラス芸術界を支えています。

関連施設

研究所の設立以来、富山市ではガラス芸術の振興に力を注いできました。研究所の隣接地には、卒業生やガラス作家たちの制作拠点である「富山ガラス工房」があります。また、2015年には富山市中心部に「富山市ガラス美術館」が開館し、ガラス芸術の普及・啓発に貢献しています。これらの施設は、互いに連携しながら、ガラス芸術文化の発展に貢献しています。

まとめ

富山市立富山ガラス造形研究所は、日本のガラス芸術界を牽引する存在です。高度な技術と創造性を兼ね備えた人材育成、充実した教育環境、そして関連施設との連携により、ガラス芸術の未来を明るく照らしています。今後も、ガラス芸術の発展に貢献していくことが期待されています。

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