審美歯科

審美歯科とは

審美歯科（しんびしか）は、美しさを中心に据えた総合的な歯科医療の分野を指します。この分野では、歯の機能だけでなく、審美性も重視され、見た目に関する治療が行われます。歯は、私たちの健康にとって機能的側面と審美的側面の両方が重要ですが、医療保険制度のもとでは、しばしば機能的な治療が優先される傾向があります。そのため、審美歯科における治療には限界があるのが現状です。

もともと、美容整形分野には美容歯科というジャンルがありましたが、審美歯科は主に、歯並びの不具合によって生じる口元の印象を改善することを目的としています。この点が、美容整形とは異なる重要な違いです。審美歯科は、見た目を美しくすることで、患者に自信を持たせ、より良い生活の質を提供する役割を果たしています。

日本歯科審美学会によると、歯科審美学は「顎口腔における形態美・色彩美・機能美の調和を図り、人々の幸福に貢献するための教育および学習に関する学問体系」と定義されています。このように、審美歯科は、単に美しさを追求するだけでなく、患者の幸福に繋がる総合的なアプローチを目指しています。

審美歯科の具体的な治療内容

審美歯科には多くの治療方法があり、以下のような代表的な施術があります。

• - 歯列矯正：歯を整え、バランスの取れた口元を実現します。
• - ホワイトニング：歯の色調を改善し、明るい笑顔を提供します。
• - オールセラミック：セラミックを使用した被せ物で、自然な見た目を保ちながら機能性も向上させます。
• - ラミネートベニア：薄いセラミックシェルを歯の表面に貼り付け、見た目を改善します。
• - インレー：虫歯を補修するための詰め物で、見た目にも配慮されています。
• - ダイレクトボンディング：直接歯に材料を塗布して形を作る方法で、短時間で結果が得られます。
• - カンタリング：美しい口元を作るために、歯の形を整える技術です。
• - 特殊材質の人工歯：機能性と美しさを兼ね備えた人工歯を用いた治療。

認定医資格と専門外来

日本歯科審美学会には、特定の基準を満たした医師に与えられる認定医資格が存在します。審美歯科という専門分野は、2011年の時点では正式な標榜科とは認められていないものの、いくつかの大学病院には専門外来が設けられています。例えば、北海道大学病院や奥羽大学歯学部附属病院、愛知学院大学歯学部附属病院など、全国で審美歯科に特化した外来が運営されています。

関連項目

審美歯科は、矯正歯科や歯学、さらには広い意味での医学とも関連しています。審美性の向上だけでなく、患者の健康も考慮した医療が進められています。

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