小池博史

小池博史 (こいけ ひろし)

小池博史は、日本の空間演出家、作家、振付家、映画監督として知られる1946年生まれのアーティストです。彼の活動は、舞台芸術の枠を超えて多岐にわたり、国内外で評価を受けています。1982年には「タラフマラ劇場」を設立し、その後1997年には同劇団を「パパ・タラフマラ」と改称しました。彼は、パフォーミングアーツの実践者として、これまでに全55作品を手掛け、2012年のグループ解散まで数々の創作活動を行いました。

来歴と影響

小池は茨城県日立市に生まれ、中学時代にアントニオ・ガウディの建築やマイルス・デイビスの音楽に深い感動を覚えました。当初は建築家を目指し、さらにジャズ評論家を志しましたが、大学入学後に映画監督に触発され舞台演出に挑戦することになります。一橋大学では、同期からの刺激を受け、初めての舞台演出を経験。その後、ドキュメンタリーのディレクターとして働くも、短期間で活動を終了し、1982年には自身の劇団をスタートさせました。

タラフマラの活動

「パパ・タラフマラ」は、そのユニークな舞台芸術のアプローチで多くのファンを魅了しました。小池は、創作の中で異なる文化を融合させ、観客に新たな示唆を与えることを目指しました。彼による多彩な作品には、「壊れたもののために」（1982年）や「三人姉妹」（2005年）といった演目が含まれ、特に1996年の「草迷宮」はズニ・アイコサヒドロンとの合作で注目を集めました。

ブリッジプロジェクトの設立

2012年に「パパ・タラフマラ」の解散後、小池は「小池博史ブリッジプロジェクト」を立ち上げ、国際的な舞台芸術の発展に貢献してきました。彼は、インドの古代叙事詩『マハーバーラタ』の全編舞台化に取り組み、作品をアジア各国で制作。2021年には6時間半の大型作品「完全版マハーバーラタ」を上演し、成功を収めました。このプロジェクトを通じて、彼は共創の重要性を訴え、多様な文化の交流を深める役割を果たしています。

近年の活動

近年では、国際共同舞台芸術プロジェクト「火の鳥プロジェクト」を始動させ、日本、ポーランド、マレーシア、ブラジルとの共同制作に携わっています。2022年には、ポーランドでの「KOSMOS コスモス」や、2023年のマレーシアでの「Soul of ODYSSEY」を創作し、今なお活発に活動を続けています。さらに、映画監督としても「銀河2072」や「バラタ」などの作品を発表しています。

著作と影響力

小池博史はまた、舞台芸術に関する著作も数多く手掛けており、その中で自らの経験や考えを元に新しい視点を提供しています。彼の考えは、若い世代のアーティストや学生たちに与えた影響も大きく、舞台芸術の未来を担う重要な人物といえるでしょう。彼の作品や活動を通じて、日本における舞台芸術の新たな潮流が形作られています。今後の展開に期待が寄せられています。

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