山本覚馬

山本覚馬（やまもと かくま）

山本覚馬は、幕末から明治にかけて活躍した会津藩士、砲術家、政治家であり、同志社大学の創立に深く関与したことで知られています。1828年に生まれ、1892年に没するまでの人生の中で、彼は日本の近代化に寄与しました。彼の号は相応斎で、山本家の先祖は甲州流軍学の祖とされる山本勘助です。

生涯

武人の時代

山本は幼少期から優れた才能を示しました。藩校・日新館に通い、さまざまな武術を学びました。若い頃には江戸に出て、著名な師の下で更なる研鑽を積みました。特に、洋式砲術に関心を持ち、関係者の指導を仰ぎました。将来的には日新館で教授として教鞭を取ることになりますが、藩の守旧派からの批判を受け、一時的に禁足されます。それでも、彼は軍制改革を訴え続け、様々な形で藩の発展に寄与しました。

元治元年には禁門の変に参加し、砲兵隊を指揮し、幕府や他藩の名士たちとも交流を持ちますが、不幸にも眼病を患いほとんど失明することになります。この障害を抱えながらも、彼は多くの人々との関わりの中で、さらなる知識を得ていきました。

治政の時代

明治時代に入ると、山本は京都府庁に出仕し、行政において重要な役割を果たします。府政の改革に尽力し、多くの学校や医療機関の設立に関与しました。また、日本初の博覧会や英語のガイドブックの刊行にも参画しました。彼の理念は、京都の近代化を推進する上で欠かせないものでした。

信仰の時代

覚馬は明治8年にキリスト教に深い感銘を受け、新島襄の学校設立計画に協力します。彼は薩摩藩の旧邸を新島に譲り、同志社英学校設立の基礎を築く手助けをしました。この動きは後の同志社大学の設立に繋がります。明治10年には初代京都府会議員に選出され、地方政治の中でも活躍しました。

家族・子孫

山本覚馬は家族においても多くの子女を持ちました。詳細には、弟妹、妻、そしてその子供たちについて記録があります。彼の妹の八重は新島襄と結婚し、覚馬はその背後で支援を行いました。祝い事喪事の際には、家族の絆を大切にし、家族を支え合う姿勢を示していました。

人物像

山本覚馬は世間の流行や浮華を忌み嫌い、分限相応の生き方を提唱しました。彼の考えは、後の世代に影響を与え続けました。彼が命名した「同志社」という名前は、今でも多くの学生や教職員に親しまれています。彼の墓は同志社大学内にあり、遺族や支持者たちによって今も大切に守られています。

まとめ

山本覚馬の人生は、会津藩士としての武士道、政治家としての視野に富んだ政治運営、そして教育者としての情熱によって彩られています。彼の功績は、現代日本の礎ともなっており、その名は幕末維新期の重要な人物として記憶され続けています。

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