山階鳥類研究所

公益財団法人山階鳥類研究所の概要

公益財団法人山階鳥類研究所は、1932年に創設され、1942年に正式に設立された日本の鳥類専門の研究機関です。創設者の山階芳麿は、旧皇族に属し、研究所の設立には皇室との強い結びつきが影響しています。所在地は千葉県我孫子市高野山にあり、1984年に移転してからは、主に鳥類研究に軸足を置いて活動しています。

研究内容と特徴

この研究所は、鳥類に関するさまざまな研究を行っており、特にヤンバルクイナの発見で知られています。研究のために、多様な形態学的標本や図書資料の収集・保存を行い、個体識別のための標識調査や絶滅危惧種の保全研究にも力を入れています。これにより、鳥類の生態や寿命、渡りの調査など、幅広い視点から研究が進められています。

組織体制

研究所の運営は、秋篠宮文仁親王を総裁に、壬生基博が理事長として辣腕を振るっています。歴代の所長もその役割を果たしており、各時代での鳥類研究に貢献しています。特に、1989年から2005年まで紀宮清子内親王が非常勤研究員として活動したことも、皇室との絆の強さを示す出来事です。

見学の機会

一般には公開されていないものの、毎月第4金曜日に所内見学会を実施しています。この見学会は、研究所の概要を紹介するためのもので、参加希望者は事前に予約が必要です。また、毎年秋には「ジャパン・バード・フェスティバル」が開かれ、研究所の職員が研究内容についての講演を行う「見にレクチャー」もあり、一般の参加者が研究所の取り組みを知る貴重な機会となっています。

隣接する我孫子市鳥の博物館

山階鳥類研究所の隣には「我孫子市鳥の博物館」があり、こちらも鳥類に特化した展示が行われていますが、組織は別々です。鳥の博物館の設立は研究所の移転をきっかけにしており、相互に関わりがあるものの、それぞれ独自の役割を持っています。

今後の展望

公益法人制度改革によって2012年に公益財団法人に移行した山階鳥類研究所は、これからも日本における鳥類研究の先駆者として、さまざまな取り組みを進めていくことでしょう。特に、絶滅危惧種の保全や環境問題への対応は、時代のニーズに応じた重要なテーマとなっています。将来的には、より多くの人々に研究の成果や意義を伝える機会が増えることが期待されています。