岡本倫

岡本 倫

1971年1月6日、和歌山県に生まれた日本の漫画家。男性。ローマ字表記はLynn Okamoto。

神奈川大学在学中は漫画研究会に籍を置いていましたが、主にイラストを手がける程度で、本格的な漫画制作には至りませんでした。

大学卒業後、株式会社バンダイに入社。ここでは玩具の企画や、PCゲームソフト『時の国のエルフェンリート』の制作に関わりました。社員時代には、商品紹介のためにテレビ番組『おはスタ』に出演した経験もあります。28歳になった時、長年の夢であった漫画家を目指すことを決意し、バンダイを退職しました。

漫画家としてのキャリアは、2000年1月、『ヤングジャンプ増刊 漫革』（集英社）に掲載された読み切り版『エルフェンリート』で幕を開けました。そして2002年6月には、『週刊ヤングジャンプ』（集英社）にて、この『エルフェンリート』の連載を開始します。この作品は、2004年にテレビアニメ化され、特に海外で非常に高い人気を獲得しました。

『エルフェンリート』の連載終了後、2007年10月からは同じく『週刊ヤングジャンプ』にて、スキージャンプを題材にしたスポーツ漫画『ノノノノ』の連載を開始。しかし、この作品は2010年12月に連載を終え、本人はこの終了が自身の意図とは異なるものであったことを示唆しています。

2012年からは、『週刊ヤングジャンプ』でSFサスペンス作品『極黒のブリュンヒルデ』の連載をスタート。同年、読み切りとして発表された『君は淫らな僕の女王』（作画：横槍メンゴ）が好評を得たことから続編制作が決定し、2013年2月には単行本第1巻が刊行。その後、『週刊ヤングジャンプ』誌上にて不定期連載という形で発表が続けられました。2014年には『極黒のブリュンヒルデ』もアニメ化されています。

2017年以降は、『週刊ヤングマガジン』（講談社）に活躍の場を移し、『パラレルパラダイス』の連載を開始しました。

漫画家以外の活動としては、学生時代にアルバイトをしていたアークシステムワークスで、ゲーム『美少女戦士セーラームーン』（スーパーファミコン版）の制作に携わった経験があります。また、趣味はガンプラ制作です。

岡本倫作品の特徴として、可愛らしい絵柄と対照的な、ハードでグロテスクな描写が多く見られる点が挙げられます。このため、そうした残酷表現を好む作家と認識されることもありましたが、本人は2018年にその見方を否定しています。本人によれば、ハードな描写が多くなった背景には、当時の担当編集者が人気漫画『GANTZ』も担当しており、ネームに首が飛ぶなどの衝撃的な描写が含まれていると掲載許可が出やすかったという事情があったとのことです。また、『極黒のブリュンヒルデ』における溶解死の表現は、読者が溶けていく際の痛みを具体的に想像しにくい点がかえって強い印象を与えると考え採用されました。しかし、続く『パラレルパラダイス』では、溶解描写の不快感を考慮し、キャラクターが光の粒となって消滅するという、よりファンタジックな表現に変更されています。このように、作風におけるハード描写の度合いや表現方法も、時期や状況によって変化していることがうかがえます。

主要な作品には『エルフェンリート』、『ノノノノ』、『極黒のブリュンヒルデ』、『君は淫らな僕の女王』（作画：横槍メンゴ）、『パラレルパラダイス』などがあります。

過去には、高橋幸慈氏を師匠とし、稲葉そーへー氏がアシスタントを務めた時期があります。バンダイ時代の同期にボルケーノ太田氏、後輩に鈴井匡伸氏がいます。また、大学の漫画研究会の後輩にはライトノベル作家の小木君人氏がいます。

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