島田裕巳

島田裕巳のプロフィールとその業績

島田裕巳（しまだ ひろみ、1953年11月8日生まれ）は、日本における宗教学の専門家、著名な作家、劇作家として知られています。東京女子大学の非常勤講師でもあり、また、NPO法人「葬送の自由をすすめる会」の会長を務めており、葬儀の在り方についての議論を推進しています。さらに、放送教育開発センターの助教授や日本女子大学教授として教鞭を執った経験も持つなど、教育者としての顔も持ち合わせています。

学歴と来歴

島田は東京で生まれ、都立西高校を卒業しました。1976年には東京大学の文学部で宗教学宗教史を専攻し、大学院に進学。その後、宗教学者である柳川啓一の影響を受け、通過儀礼の視点から宗教現象の考察に熱心に取り組むようになります。柳川ゼミでの研究手法として、密かに宗教団体に参加して調査を行う「もぐり込み」があり、島田もこの手法を取り入れました。特に「山岸会」という宗教団体についての研究が彼の宗教学者としての出発点となりました。しかし、山岸会の厳格な生活に窮屈さを覚え、最終的には離脱しました。

葬式不要論の提唱

島田は「ゼロ葬」という概念を提唱しました。これは、家族が亡くなった際、火葬された遺骨を一切引き取らず、葬儀も行わず、墓も作らないという新しい葬送のスタイルです。彼の著書『葬式は、要らない』は2010年に出版され、ベストセラーとなりました。この著書では、従来の葬儀に対する疑問を投げかけ、現代社会における死の受け入れ方を再考させる内容が多くの読者の共感を呼びました。

オウム真理教との関係

オウム真理教に対する彼の見解は非常に注目されています。彼は同教団を本物の修行型宗教と評価し、その教義や行動を擁護する発言を行ってきました。特に、地下鉄サリン事件発生後の発言は物議を醸し、警察の捜査を批判するなど、議論を呼びました。彼の発言や行動は、オウム真理教に対する批判や中傷を受ける原因ともなり、メディアからの非難にも晒されました。

教団との関わり

1990年代初頭から彼はオウム真理教の動向に注目し、様々なメディアでその解説を行いました。特に『週刊朝日』への寄稿でオウムを擁護するような記述を行い、その後も講演や対談に参加しました。しかし、これらの行動は後にオウム真理教の犯罪行為が明らかになると、批判の的とされました。

著作活動

島田の著作は多岐にわたりますが、宗教や哲学に関する書籍が中心です。彼の著作は、宗教の役割や現代社会における宗教の位置づけ、さらに葬儀や死についての考察を深めるものが多いです。また、近年では「オウムは再び現れる」という著作で、オウム真理教の信者の心理や教団の体質について分析を行い、宗教と社会のダイナミックな関係を描き出しています。

近年の活動

現在、彼は東京大学先端科学技術センターで研究を続け、大学での講義に加え、執筆活動にも力を入れています。彼の研究や計画は、今後も日本の宗教学界において注目されることでしょう。島田裕巳の活動は、新たな宗教観の探求や死生観の再考を促す重要なものとなっています。彼の独特な視点は、多くの日本人に響くものであり、その影響力は今後も続くとみられます。

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