左翼ブロック

ポルトガル左翼ブロック：躍進を遂げた革新政党

ポルトガルの左翼ブロック（Bloco de Esquerda）は、1999年に設立された革新政党です。人民民主連合（UDP）、革命的社会党（PSR）、政治21（PXXI）といった既存の左派勢力からの参加によって誕生しましたが、各構成団体は一定の自主性を維持しており、比較的緩やかな組織構造となっています。

結成当初は、国民からの支持は限定的でした。1999年の総選挙では得票率2%と低迷しましたが、その後は着実に支持を拡大。2002年には3%、2005年には6.5%（8議席）を獲得し、勢力を伸ばしていきました。特に2009年の欧州議会議員選挙では、10.73%という高い得票率で3議席を獲得、緑の党及びポルトガル共産党から成る統一民主同盟を初めて上回り、存在感を示しました。

左翼ブロックは、欧州反資本主義左翼党及び欧州左翼党にも加盟しています。当初は高学歴層からの支持が中心でしたが、近年は労働組合や環境保護団体からの支持も拡大。女性、移民、マイノリティの権利擁護を積極的に訴えることで、幅広い層からの共感を集めています。これにより、ポルトガル共産党や社会党といった既存の左派政党とは一線を画す、新たな左翼勢力としての地位を確立しつつあります。

大統領選挙への挑戦も積極的に行っています。2006年の大統領選挙ではフランシシュク・ローサ候補を擁立、288,224票（得票率5.31%）を獲得しました。総選挙においても、2009年には9.67%の得票率で16議席を獲得。しかし、2011年の総選挙では任期短縮の影響もあり、得票率5.17%、8議席と議席数を減らしました。特筆すべき点として、党所属議員の約半数が女性であることが挙げられます。

そして2015年10月4日に行われた総選挙では、大きな飛躍を遂げます。得票率が10.2%に到達し、初めて2桁に乗せました。議席数も19議席と、前回から11議席増やし、第3党へと躍進。ポルトガル政界における左翼ブロックの地位は、揺るぎないものとなりました。

左翼ブロックは、穏健な社会主義を掲げる一方で、環境問題や社会正義にも重点を置いています。既存の左派政党とは異なるアプローチで、新たな支持層を獲得し、ポルトガル政治に大きな影響を与え続けています。今後の動向にも注目が集まります。

関連項目:

* 第四インターナショナル

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