広島市立中央図書館

広島市立中央図書館の概要

広島市立中央図書館は、1974年に広島市中区の中央公園内に開館しました。この図書館は、鉄筋コンクリート構造で地上3階、地下1階の設計です。1階には対面朗読室や国連寄託図書館、自習室があり、喫茶・食堂のスペースも完備されています。2階では新聞雑誌閲覧室、自由閲覧室が利用でき、展示ホールも設けられています。最上階の3階には広島資料室、広島文学資料室、参考閲覧室、セミナー室があり、広島に関連する資料を特に充実させています。

この図書館は広島市内では最大規模の公立図書館であり、広島県中央図書館としての役割も果たしています。また、広島市映像文化ライブラリーとの複合施設として、地域の文化に貢献しています。2017年には耐震性能調査により「倒壊または崩壊する危険性が高い」と報告されていますが、建て替えや耐震化の具体的な計画は今のところ未定です。

沿革

広島市立中央図書館の歴史は、1926年に開館した私立の「浅野図書館」まで遡ります。この図書館は戦前に広島市に寄贈され、市立の図書館へと移行しました。以降、原爆の影響を受けつつも、何度かの移転を経て現在に至ります。

浅野図書館のはじまり

1920年、広島藩最後の藩主浅野長勲が図書館の建設を発表し、1926年に小町で開館しました。設計は岡田信一郎によるもので、開館当初は鉄筋コンクリート造の2階建てでした。1931年には市へ寄贈され、「広島市立浅野図書館」と改称されました。

原爆による被害

広島市立浅野図書館は1945年の原爆投下で、730メートルの位置にあったため全焼し、所蔵していた多くの書籍が失われました。しかし、戦中に行われた疎開により、一部の貴重書は逃れました。戦後、この図書館は死体収容所や食糧配給所として使用されましたが、1946年に業務を再開しました。

再建と現在の形

1955年には国泰寺町に新しい建物が完成し、その後1974年に現在の基町に移転して、「広島市立中央図書館」として新たにオープンしました。開館当初の蔵書は60万冊を超え、広島県立図書館の2倍の規模を誇りました。1982年にはさらに施設が拡張され、2007年にはアスベスト除去工事が実施されました。2011年には開館80周年を迎え、地域の文化と歴史を支える重要な施設となっています。

主な蔵書とサービス

広島市立中央図書館では、特別に選ばれた資料も所蔵しています。旧広島藩主から寄贈された『浅野文庫』やです。また、地元の文学者に関連する資料や被爆資料も充実しており、地域の文化に貢献しています。

利用情報

所在地は広島市中区基町3-1で、開館時間は火曜日から金曜日が午前9時から午後7時、土・日曜日と国民の祝日が午前9時から午後5時です。また、休館日は毎週月曜日や特定の祝日に定められています。Wi-Fiも利用可能なため、便利に利用できます。

このように、広島市立中央図書館は歴史と文化を大切にしながら、地域の人々に広く利用されています。

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