徳島県立鳥居龍蔵記念博物館

徳島県立鳥居龍蔵記念博物館：人類学者鳥居龍蔵博士の足跡をたどる旅

徳島県立鳥居龍蔵記念博物館は、徳島県徳島市郊外、八万町の徳島県文化の森総合公園内にある県立博物館です。鮮やかな黄色を施設識別カラーとして用い、近隣には徳島県立博物館や徳島県立近代美術館も立地しています。しかし、これらの施設とは独立した、鳥居龍蔵博士とその研究に特化した専門性の高い博物館です。

鳥居龍蔵博士：アジア研究のパイオニア

本博物館は、徳島市出身の人類学者、鳥居龍蔵博士の生涯と、その幅広い研究業績を詳細に紹介しています。博士は、日本における民族学・人類学研究のパイオニアとして知られ、特にアジア各地へのフィールドワークを通して得られた膨大な知見は、現代においても高く評価されています。本館では、その研究活動の軌跡を、貴重な資料や写真、映像などを用いて分かりやすく解説しています。

展示内容：多角的に迫る鳥居龍蔵博士の世界

博物館の展示は大きく分けて3つのセクションで構成されています。まず、「鳥居龍蔵の見たアジア」では、博士が各地で調査を行い、記録した文化や社会、人々の生活様式などを紹介。鮮やかな写真や民族資料を通して、当時のアジアの姿を垣間見ることができます。

続く「鳥居龍蔵の生涯」では、博士の生い立ちから研究活動、そしてその功績に至るまでを時系列に沿って丁寧に解説。数々の逸話やエピソードも交えながら、博士の人となりや研究への情熱を伝えます。

そして「鳥居龍蔵から学ぶもの」では、博士の研究が現代社会に与える影響や、私たちが学ぶべき点について考察しています。現代社会の問題解決や国際理解、文化多様性への理解を深める上で、博士の研究が持つ普遍的な価値を再認識できる構成となっています。

アクセスと開館情報

博物館はJR徳島駅からバスで約25分、「文化の森」バス停下車です。また、牟岐線文化の森駅から徒歩でもアクセス可能です。開館時間は9時30分から17時までで、月曜日（祝日・振替休日の場合は翌日）、年末年始（12月29日から1月4日）は休館です。入館料は一般200円、高校・大学生100円、小・中学生50円と、幅広い年齢層が利用しやすい料金設定となっています。

博物館の歴史：移転と変遷

本博物館は1964年、鳴門市撫養町林崎の妙見山公園で「徳島県立鳥居記念博物館」として開館しました。当時は撫養城跡を模した3層の天守閣風の建物でしたが、2010年に現在の場所に移転。現在の建物は、より多くの来館者を受け入れ、充実した展示を行うために、新たな施設として整備されました。この移転によって、より多くの人が鳥居龍蔵博士の業績に触れる機会が得られるようになりました。

博物館の役割：未来への継承

徳島県立鳥居龍蔵記念博物館は、単なる展示施設にとどまらず、人類学研究の普及や地域文化の振興にも貢献しています。教育プログラムや講演会なども開催しており、地域社会との連携を図りながら、鳥居龍蔵博士の精神と研究成果を未来へと継承する役割を担っています。 博物館を訪れることで、アジアの文化や歴史、そして人類学研究の奥深さを体感できる貴重な機会となるでしょう。

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