情報活用能力

情報活用能力について

情報活用能力（じょうほうかつようのうりょく）とは、個人が情報や情報手段を自ら選び、主体的に活用するために必要な基礎的な資質を指します。この能力は、日本の学習指導要領において、「言語能力」や「問題発見・解決能力」と並ぶ重要な学習の基盤として位置付けられています。

語源と背景

情報活用能力の語源は、米国の図書館教育に由来する「情報リテラシー」という概念にあります。この用語は、当初の意味とは異なり、現在の日本での「情報活用能力」はより広い意味を持つように発展しました。つまり、情報リテラシーが持つ単なる技術的知識を超え、情報を理解し活用する際の深い思考力や倫理観なども含まれるようになっています。

３観点８要素

日本の文部科学省は、情報活用能力を次の3つの観点と8つの要素に整理しています。

1. 情報活用の実践力
- 課題や目的に見合った情報手段を適切に利用する力
- 必要な情報を主体的に収集し、判断、表現、処理、創造する力
- 効果的な情報の発信・伝達を行う力

2. 情報の科学的理解
- 情報手段の特性についての理解
- 情報活用を評価・改善するための基礎理論の理解

3. 情報社会に参画する態度
- 情報技術が社会で果たす役割や影響についての理解
- 情報モラルや情報に対する責任 意識を持ち、望ましい情報社会の創出に寄与しようとする態度

構成する資質・能力

情報活用能力は以下の3つの柱からなる資質と能力によって構成されています。

1. 知識・技能

情報と情報技術に基づく問題解決法についての理解や、情報の社会的役割、関連する法制度やマナーについての理解を必要とします。これを通じて、適切な情報技術の活用が求められます。

2. 思考力・判断力・表現力

多様な情報を捉え、それを基に新たな意味を生み出す力が重要です。また、情報技術を問題解決に向けて適切に活用する能力や、発信された情報の意図を正確に理解する力も含まれます。

3. 学びに向かう力・人間性

情報社会に主体的に参画し、その発展に貢献しようとする態度が求められます。情報の多面的な価値を評価し、自らの情報活用を振り返り、改善に努める姿勢が重要です。

まとめ

情報活用能力は、現代の情報社会において非常に重要なスキルと言えます。私たちは日々、さまざまな情報に囲まれて生活しており、その中で自らの意志で情報を選び、活用する力が求められています。魂を揺さぶられる情報と正しく向き合うためには、これらの能力をなるべく高めていく必要があると言えるでしょう。

参考資料

文部科学省 教育の情報化に関する手引

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