摩尼寺

摩尼寺の概要

摩尼寺（まにじ）は、鳥取県鳥取市の喜見山に位置する天台宗安楽律法流の寺院です。この寺院は、古くから信仰の対象として崇められており、特に山頂近くにある立岩は帝釈天降臨の霊地として知られています。寺の歴史は平安時代始めに遡り、地元の人々の信仰を集めてきました。

寺の成立に関する伝承によると、高草郡の長者が喜見山を訪れた際、立岩に帝釈天が降臨し、この地に鎮座すると宣言しました。その後、長者は精舎を建設し、承和年間に慈覚大師が再興を行ったことで現在の摩尼寺が誕生します。

信仰の対象としての重要性や歴史を持つ摩尼寺ですが、豊臣秀吉による焼き討ちにより一度は荒廃しました。その後、江戸時代に池田光仲と光政によって再建され、現在に至っています。

伝説と地形の関係

摩尼寺の伝説、特に帝釈天降臨にまつわる話や、継子落しの滝の伝説は、地形や古い地名から考察した場合、本来は山の対岸にある円護寺に由来する説も存在します。しかし、江戸時代以降、この摩尼寺が栄える中で独自の伝説が形成されたと考えられています。

アクセスと境内の特徴

寺のアクセスには、仁王門から本堂まで続く303段の石段があり、これは1912年に整備されました。この石段の周囲には、石塔が並んでいましたが、第二次世界大戦中の鳥取大震災により倒壊しました。現在では、帝釈天降臨に関連する立岩や、奥の院、賽の河原までの山道が整備されています。近日中には奥の院の調査も進められています。

霊場としての摩尼寺

摩尼寺は、中国三十三観音の特別霊場にも指定されており、多くの参拝者が訪れます。この霊場は、帝釈天出現に関する功徳があり、地元だけでなく遠方からも多くの信者が集まってきます。観音や神仏が祀られており、本堂には本尊の帝釈天や千手観音が安置されています。

主要な建物と施設

• - 本堂: 国の登録有形文化財であり、帝釈天と千手観音が安置されています。
• - 三祖堂: 伝教大師、弘法大師、慈覚大師を祀っています。
• - 善光寺如来堂: 阿弥陀三尊と虚空蔵菩薩が安置されており、戒壇巡りが体験できます。
• - 仁王門: 隠岐島から移築されたとされる重要な文化財です。

利用情報と周辺観光

摩尼寺の開門時間は9時30分から16時30分までで、境内は無料で参拝可能ですが、堂内に入るには有料の戒壇巡りがあります。最寄りの交通手段として、JR山陰本線の鳥取駅からタクシーで約10分でアクセスできます。

周辺には、鳥取砂丘や渡辺美術館、玄忠寺などもあり、観光名所としても魅力的なスポットが点在しています。また、寺の門前には山菜料理を提供する茶屋もあり、訪れる人々の休息場所として賑わいを見せています。

摩尼寺は、その深い歴史と美しい自然の中で、訪れる人々に静けさと安らぎをもたらす特別な場所です。

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