摩耶大橋

摩耶大橋：神戸の港湾を繋ぐ歴史的斜張橋

神戸市灘区摩耶埠頭と中央区小野浜町を結ぶ摩耶大橋は、総延長510メートル、海上部分を210メートルに渡る2径間連続斜張橋です。1965年3月に着工、1966年6月に完成したこの橋は、日本で初めてヤジロベース形式を採用した橋として、土木工学の歴史に名を刻んでいます。海面から18メートルの高さに架けられたその姿は、神戸港の風景に独特のアクセントを加えています。

摩耶大橋は、開通以来神戸市港湾局が管理する有料橋でしたが、2024年4月1日、ハーバーハイウェイのETC導入と同時に無料化されました。長年に渡り神戸市民や観光客に利用されてきたこの橋の無料開放は、地域経済の活性化にも貢献すると期待されています。

阪神・淡路大震災からの復興と土木遺産への認定

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、摩耶大橋も大きな被害を受けました。しかし、関係者の努力と技術により、同年8月1日には見事に復旧を果たしました。この震災からの復興は、日本の防災技術の高さを世界に示すものとなりました。そして、その歴史的価値と技術的意義が認められ、2022年9月には土木学会選奨土木遺産に認定されました。

橋梁の構造と特徴

摩耶大橋の橋長は210メートル、支間は139.4メートルと69.4メートルの2径間で構成されています。橋の幅員は14メートルで、そのうち3メートルが歩道として確保されています。上部構造は鋼床版連続箱桁による2径間連続斜張橋、下部構造は鉄筋コンクリート製の橋脚となっています。鋼重は1360トンにも及び、その壮大な構造は多くの技術者の努力の結晶です。

過去の通行料金

無料化される以前は、摩耶大橋の通行料金は、自動車1台1回につき110円でした。午前8時から午後8時までの間徴収が行われ、ETCには対応していませんでした。二輪車は無料で通行可能でした。また、125枚つづり10,500円、300枚つづり22,000円の回数券も販売されていました。消費税率の変更に伴い、2014年5月1日に料金改訂が行われています。

摩耶大橋の現在

無料化後、摩耶大橋は神戸市民の生活道路としての役割だけでなく、観光客へのアクセス向上にも大きく貢献しています。ハーバーハイウェイと並行して架かる第二摩耶大橋と共に、神戸港の交通インフラを支える重要な役割を担っています。今後も、その歴史と技術的価値を保ちながら、多くの人の利用に供されることでしょう。

今後の展望

無料化によって、摩耶大橋の利用者は増加傾向にあり、さらなる交通量の増加が見込まれます。神戸市港湾局は、老朽化対策や維持管理に注力し、安全で快適な通行環境を確保していく必要があります。また、歴史的建造物としての価値を維持しつつ、観光資源としても活用していくことが期待されています。将来にわたり、神戸の象徴として、そして人々の生活を支える重要なインフラとして、その役割を果たし続けるでしょう。

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