新s

新s（あらたにす）について

新s（あらたにす）は、日本の主要な新聞社である日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞グループ本社の3社が共同で立ち上げたニュースサイトです。このサービスは、2008年1月31日に始まり、2012年2月29日に全てのコンテンツの更新を終了しました。現在は、学生が運営する「言論空間」としてFacebook上で活動しています。

特徴とサービス内容

新sの主な特徴は、3つの全国紙のニュース記事を並べて掲載し、利用者がこれらを比較しながら読むことができる点です。サイト上では、各紙の1面及び社会面の記事、社説、コラム、書評などの見出しや一部が表示され、リンクをクリックすることで全文を各新聞のサイトで読むことができるシステムが採用されていました。

更新は、朝刊と夕刊の発行に合わせて一日二回、午前7時と午後4時に行われ、1週間分のバックナンバーも閲覧可能でした。また、各紙の記事に加え、「新聞案内人」として知られる著名人によるコラムも掲載されていました。

名前の由来

「あらたにす」という名前は、古語で「新しくする」という意味を持ち、「新（new）+ s（news）」の二重の意味が込められています。URLによると、あらたにすのラテン文字表記は「allatanys」とされており、これは「all at anys」（全てのこと）と「all at ANYs」（朝日、日経、読売の全て）という2つの意味に掛けられていると言われています。

異例の提携

新sの設立は、2007年10月1日に発表された3社の業務提携の一環であり、異なる論調や専門分野を持つ媒体が聯携するという珍しい試みとして知られています。提携の発表に合わせ、他の新聞社もオンラインサービスの強化を進めており、国全体でのデジタル発信競争が激化していました。

ゴルフ報道と新たな挑戦

新sは、単にニュースを配信するだけでなく、公益財団法人日本ゴルフ協会へのスポンサードも行い、日本オープンや日本女子オープン、日本シニアオープンなどの主要なゴルフ大会を積極的に取材報道しました。サービス開始当初はフィーチャーフォンが主流でしたが、当時の新しいメディアとして、Twitterを用いたスポーツのライブ報道に挑戦し、特に石川遼選手の活躍をリアルタイムで配信しました。

この取り組みは当時のゴルフ業界において物議を醸しましたが、その後、スポーツ界におけるリアルタイム報道のスタンダードとなり、Twitterによる報道が常態化するきっかけの一つとなりました。

終了とその後

新sの運営中、日経は電子版「日本経済新聞電子版」を2010年3月に、朝日新聞は「朝日新聞デジタル」を2011年5月にそれぞれ開始しました。これにより、紙媒体からの移行が進む中、各社はオンラインでの情報提供を強化しています。現在の新sは、学生によって運営される「言論空間」として活動していることからも、情報配信の形が変化していることが伺えます。

もう一度検索