旅行保険

旅行 保険について

旅行保険は、国内外の旅行中に予期せぬ事態で発生した損害を補償する保険商品です。旅行中の病気やケガによる医療費、携行品の紛失や盗難、旅行のキャンセル費用などをカバーします。

概要

海外旅行では、環境の変化や疲労、犯罪リスクなど、様々な危険が伴います。また、海外では日本の医療保険が適用されないため、旅行保険はこれらのリスクに備える上で不可欠です。ジェイアイ傷害火災保険のデータによると、旅行保険加入者の約4%が旅行中に事故に遭遇しており、特に治療・救援費用、携行品損害、旅行事故緊急費用の請求が多いことがわかっています。

日本で販売されている旅行保険は、傷害・疾病医療費のほか、携行品損害、旅行キャンセル、ロストバゲージ、航空機遅延、損害賠償など、幅広い補償内容をプランによって選択できます。

保険契約

保険料の算出

旅行保険の保険料は、旅行先の国や地域、旅行期間、年齢、既往症、アドベンチャースポーツへの参加の有無、補償オプションなど、様々な要素を考慮して決定されます。また、一部の保険では、旅行者が所有する財産の価値も保険料に影響します。保険商品は、1回の旅行のみを補償するタイプと、契約期間内の旅行であれば何度でも補償される「マルチトリップ」型があります。

保険期間

ほとんどの保険商品は、自宅出発前、あるいは空港など最初の出発地から出発する前に購入する必要があります。海外の一部の保険会社では、出発後に加入できる保険も提供されています。出発地と帰着地が同じである事を前提とする保険が一般的ですが、海外移住者向けに片道旅行保険を提供する保険会社もあります。

カード付帯旅行 保険

クレジットカードに付帯している旅行保険もありますが、一般的に補償額が低く、個人のニーズに合わせた内容になっていない場合があります。特に、医療費は300万円以下の補償である事が多く、実際の事故では補償が不足するケースも報告されています。

保険の内容

傷害・疾病治療

海外でケガや病気をした場合、病院の診察料、薬代、救急車代、歯科治療費などが補償されます。入院した場合は、緊急アシスタンスサービスを利用し、病院の医療費支払保証、医師との連絡、病院間の移動や帰国時の搬送手配などのサポートを受けることができます。より包括的なプランでは、家族の渡航費用もカバーされる場合があります。また、旅行中に死亡した場合は、遺体搬送費用や葬儀費用も補償されます。

キャンセル料

旅行のキャンセル費用を補償する保険では、予期せぬ事態による旅行キャンセルにより発生するキャンセル料やデポジットの損失をカバーします。対象となる事態は、病気やケガ、自然災害、ストライキ、暴動、ハイジャック、家族の緊急事態などがあります。その他、裁判員選出、解雇、軍隊や緊急サービス従事者の召集、政府による渡航中止勧告なども含まれる場合があります。

遅延費用

多くの旅行保険では、交通機関の遅延により発生した代替輸送費、宿泊費、食費などを補償します。預け荷物が遅延した場合には、衣料品や日用品などの購入費用が補償される場合もあります。

携行品損害

旅行中の身の回り品の紛失、破損、盗難を補償します。パスポートなどの渡航書類や現金の盗難に対する補償も含まれる場合があります。

賠償責任

旅行中に他人の身体や財産に損害を与えた場合に、損害賠償責任を補償します。

オプション

基本補償に加え、既往症、リスクの高いスポーツやアクティビティ、レンタカーの事故、クルージングなどをカバーするオプションも提供されています。

一般的な免責事項

旅行保険はリスクベースの商品であるため、パンデミック、風土病、戦争、テロなど、広範囲で定量化できないリスクは補償対象外となることが多いです。これらの判断は、政府の渡航勧告に基づいて行われることがあります。

一般的な免責事項には、未申告の既往症、無免許運転、医療行為を目的とした旅行、待機的手術、不注意運転、飲酒、ドラッグ使用による事故、所持品の放置による紛失、盗難、リスクの高いスポーツへの参加、政府の渡航中止勧告に反する旅行などが挙げられます。

旅行 保険加入の義務付け

特定の国では、ビザ取得やビザ免除の条件として、旅行保険への加入が義務付けられています。シェンゲン圏、アラブ首長国連邦、キューバ、トルコ、ベラルーシなどへの渡航者が該当します。また、ツアー会社やクルーズ会社によっては、旅行保険への加入を必須とする場合があります。