日本カメラ

日本カメラ (Nippon Camera)

『日本カメラ』は、かつて日本カメラ社が発行していた、カメラと写真に関する月刊誌です。かつては「三大カメラ雑誌」の一つとして知られていましたが、2021年4月20日発売号をもって休刊となりました。

概要・特徴

1950年に創刊された『日本カメラ』は、長年にわたり写真愛好家やプロカメラマンに親しまれてきました。その内容は多岐にわたり、以下のような特徴がありました。

写真作品の紹介: プロの写真家による質の高い写真作品を掲載し、読者に刺激を与えていました。
読者参加型企画: 読者から募集した写真コンテストの入選作品を発表し、プロの視点から批評することで、読者のレベルアップに貢献しました。
機材レビュー: 最新のカメラやレンズなどの撮影機材を詳細に紹介し、機材選びの参考となる情報を提供していました。毎年刊行されていた『カメラ年鑑』も、機材情報を提供する重要な役割を果たしていました。
撮影テクニック: 他の人に見てもらえるような写真の撮影方法を解説し、読者のスキル向上をサポートしていました。1980年頃までは、モノクロ写真の暗室操作に関する記事も掲載されていました。
* 写真界の動向: 2006年からは、機材情報に加え、写真賞、写真展、写真集など、写真界全体の動向を紹介する『写真年鑑』も刊行していました。

『カメラ毎日』休刊後は、『アサヒカメラ』と共に、日本の二大カメラ雑誌としてその地位を確立しました。しかし、『アサヒカメラ』も2020年に休刊したため、『日本カメラ』は三大カメラ雑誌の中で唯一の生き残りとなっていました。

日本カメラフォトコンテスト展

毎年開催されていた「日本カメラフォトコンテスト展」は、誌上月例コンテストの年度賞上位入賞者が選ばれる名誉あるものでした。2009年度の審査では、モノクロプリント部門を齋藤康一氏、カラースライド部門を小澤忠恭氏、カラープリント部門を竹内敏信氏、ビギナーズ部門を今岡昌子氏が担当し、応募点数は80,000点以上にのぼりました。展覧会は、2009年2月から3月にかけて新宿ニコンサロンと大阪ニコンサロンで開催されました。

日本カメラmookシリーズ

別冊として、「日本カメラmookシリーズ」という書籍も多数刊行されていました。これらの書籍は、個別のカメラに関するものや、撮影技法に関するものが中心でした。

休刊

2021年4月15日、日本カメラ社は公式サイトで、同年5月号（2021年4月20日発売・通巻964号）をもって休刊することを発表しました。休刊の理由としては、出版不況やデジタル化の波などが考えられます。会社清算のため、事実上は廃刊に近い状態となりました。

長年にわたり日本の写真文化を支えてきた『日本カメラ』の休刊は、多くの写真愛好家にとって非常に残念な出来事でした。

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