日本対がん協会

公益財団法人日本対がん協会

公益財団法人日本対がん協会（Japan Cancer Society、略称JCS）は、1958年に設立された公益法人です。この協会は、がんの予防や治療に関する知識の普及、患者およびその家族を支援する活動を主な目的としています。

設立の背景と歴史

日本対がん協会は、1957年に日本癌学会の総会での提唱を契機に設立準備が始まりました。その後、朝日新聞社の支援を得て、1958年8月1日に正式に財団法人として設立されました。最初の「がん征圧月間」が1960年9月に開始され、以後毎年この月に様々な啓発活動が行われています。1968年には創立10周年を迎え、小田原市で第1回の「がん征圧全国大会」が開催されました。

その後も、協会は着実に活動を拡大し、2001年には「日本対ガン協会」から「日本対がん協会」へと名称を変更。映画やその他のメディアを通じてがんの理解を深める取り組みも行っています。特に2006年にはアメリカ発祥の「リレー・フォー・ライフ」イベントを日本で初めて実施しました。2010年には公益財団法人へと移行し、現在に至ります。

組織構成

日本対がん協会の組織は、会長に垣添忠生氏、理事長には後藤尚雄氏が就任しており、そのほかに10名の理事が在籍しています。また、監事として清水隆氏や杉浦文彦氏がおり、評議員には著名人が多く名を連ねています。全国には東京を除く46道府県に支部を構えており、地域に密着した活動も行っています。

主な事業内容

協会の主な業務には、がん患者家族への支援、がんに関する知識の普及、検診施設の整備、調査研究への助成などが含まれています。また、若手のがん専門医や医療従事者の育成研修も行っており、がん治療の質の向上に寄与しています。

毎年開催される「がん征圧月間」や「がん征圧全国大会」などのイベントは、一般市民や患者の意識を高めるための重要な機会となっています。また、特別賞の「朝日がん大賞」を設け、がんに関する活動や研究を支援しています。

メディアへの取り組み

日本対がん協会は、ラジオを通じた啓発活動にも力を入れています。特に、朝日放送が制作・放送するトーク番組『Changeの瞬間 〜がんサバイバーストーリー〜』に協会が協力しています。この番組はがんサバイバーとの対話を通じて、がんの予防や治療、支援内容などに関して様々な情報を提供しています。2020年4月に放送が開始され、まもなく多くのリスナーから支持を受けるようになりました。

展望

日本対がん協会は、今後も地域に密着した活動を続けるとともに、より多くの人々にがんに関する正しい知識を届けていくことを目指します。患者の声を尊重し、がんと闘うすべての人々とその家族を支えるためのサポートを強化する活動を進めていくことで、がんへの理解を深め、社会全体の意識向上に貢献していく方針です。

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