日本歯周病学会

特定非営利活動法人 日本歯周病学会（THE JAPANESE SOCIETY OF PERIODONTOLOGY、略称: JSP）は、日本における歯周病学の進歩と普及を目指す主要な学術団体です。歯周病に関する多岐にわたる調査・研究を推進し、その成果を社会に還元することを使命としています。日本を代表する歯科関連学会の一つとして位置づけられており、公益財団法人日本歯科医学会の専門分科会でもあります。この組織は、2003年（平成15年）に特定非営利活動法人としての認可を受けて活動しています。

学会の主な目的は、歯周疾患に関する学術研究の発展と、その研究成果に基づいた歯科医療の質の向上です。具体的には、歯周病の原因究明、診断技術、予防法、治療法に関する基礎研究および臨床研究を奨励・支援しています。また、歯科医師や歯科衛生士といった歯科医療に携わる専門職に対し、最新の学術情報や高度な専門知識・技術を提供することで、彼らの臨床能力の向上を図っています。これにより、国民の口腔保健、ひいては全身の健康増進に貢献することを目指しています。

本学会は、学術情報の交換と会員間の交流を促進するため、年間2回の総会（春季と秋季）を開催しています。これらの総会では、研究発表や特別講演、シンポジウムなどが行われ、活発な議論が展開されます。また、学会の機関誌として「日本歯周病学会会誌（Journal of the Japanese Society of Periodontology）」を年間4回発行しており、国内外の重要な研究論文や臨床報告が掲載されています。この学会誌は、歯周病学の最新動向を知る上で貴重な情報源となっています。

歯周病医療における専門性の確立と質の保証のため、学会は独自の専門医認定制度を設けています。歯科医師を対象とした「日本歯周病学会認定歯周病専門医」と、歯科衛生士を対象とした「日本歯周病学会認定歯科衛生士」の制度があり、厳格な審査を通過した専門家が認定されています。これらの認定医は、高度な知識と技術を持ち、難易度の高い歯周病治療や専門的なケアを提供することで、地域医療においても重要な役割を担っています。さらに、若手研究者の育成を奨励するため、「日本歯周病学会奨励賞」を設けています。

本学会には、多くの歯科医師や歯科衛生士、研究者などが会員として所属しており、一般会員として入会することが可能です（年会費が必要）。また、本学会と密接に関連する学術団体として、日本臨床歯周病学会があります。こちらは、より実践的な臨床現場に根ざした研究活動に重点を置いており、両学会に所属して、基礎研究から臨床応用まで幅広い視点を持つ会員も少なくありません。

日本歯周病学会は、公益財団法人日本歯科医学会をはじめ、日本歯学系学会協議会、歯学系学会社会保険委員会連合などの関連団体にも加盟しており、歯周病学の発展を通じて日本の歯科医学全体の向上に寄与しています。その活動は、歯周病という国民病ともいえる疾患の克服に向けた取り組みの中心を担っており、歯科医療の未来を切り拓く上で不可欠な存在と言えます。

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