日本沈没2020

日本沈没2020

『日本沈没2020』は、小松左京のSF小説『日本沈没』を原作とした日本のWebアニメであり、メディアミックス作品です。この作品は2020年、金メダルの期待がかかる東京オリンピックの閉会直後を背景に、前代未聞の大災害に見舞われる日本を描きます。2020年7月9日よりNetflixで全世界配信が始まり、同年11月には劇場版『日本沈没2020 劇場編集版-シズマヌキボウ-』も公開されました。

概要

本作は、原作小説が主に国や学者の視点で語られるのに対し、一般家庭の視点から危機的状況に立ち向かう様子をメインに描いています。舞台設定やキャラクター描写も多くがオリジナルの要素を取り入れ、以前の作品との関連はごく限られた範囲に収まっています。また、この作品は原作の英題を初めて使用した映像作品でもあります。キャッチコピーは『それでも人は、前を向く』や『見届けろ。そのとき、希望は沈まない。』といった希望的なメッセージが込められています。

ストーリー

物語は2020年9月、日本が未曾有の地震に見舞われるところから始まります。東京オリンピックを終えたばかりの中学3年生・武藤歩は、陸上競技場で被災し、負傷しながらも脱出しますが、彼が知っていた東京の景色は一変していました。電話は通じず、自宅は倒壊し、避難所は混乱を極めていたのです。しかし、父がイルミネーションを照らしているのを見つけ、歩は最後の力を振り絞って父と再会します。

避難者が集まる中、彼の家族や友人も無事に姿を現しますが、次の日の大爆発音を受け、SNSや海外メディアによって日本列島が沈んでいるとの衝撃の情報を知ることになります。その後、彼らは孤立の危機を感じ、西へと向かうことを決意します。しかし、移動する中で彼らは別れや出会い、生と死の岐路に立たされていきます。武藤兄弟は、果たしてどんな結末を迎えるのか、そこには希望があるのか、様々な試練が彼らを待ち受けます。

登場人物

主要キャラクターには、武藤家の中学3年生の少年・武藤歩と弟の小学2年生・武藤剛、彼らの母・武藤マリ、父・武藤航一郎がいます。さらに、近隣住民やユーチューバー、霊媒師など多様なキャラクターが織りなすドラマも本作の魅力の一つです。彼らの視点を通して描かれる困難な状況は、観る者に深い感動を与えます。

メディアミックス

『日本沈没2020』は、映画と漫画としても展開されています。映画は配信版を再編集したもので、またコミカライズも連載され、多面的にストーリーが楽しめる構成となっています。

評価

作品への反応は分かれていますが、批判的な意見も多い中、視聴数の伸びは目を見張るものがあり、2020年のアニメ作品の中で最も人気を集めました。また、文化庁メディア芸術祭やアヌシー国際アニメーション映画祭でも高い評価を得たことで、アニメとしての可能性を感じさせる作品となっています。

このように、『日本沈没2020』は単なる災害の描写ではなく、人間の希望と絆をテーマにした深い物語が展開される作品です。

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