日本薬剤師会

公益社団法人日本薬剤師会

公益社団法人日本薬剤師会（にほんやくざいしかい）は、1910年に設立された日本全国の薬剤師で構成される職能団体です。日本薬剤師会は、各都道府県や市町村に存在する薬剤師会の集合体であり、現在約97,000人の会員がいます。これは、薬剤師の専門性を高め、薬品に関する知識や社会的責任を促進することを目的としています。2012年には、社団法人から公益社団法人へと移行し、更なる社会貢献が期待されています。

会の展望

日本薬剤師会の会長は、2014年から山本信夫が務めており、これまでの各会長によって様々な議論が交わされ、薬剤師の職能の向上と地域保健の充実に寄与してきました。同会は、日本医師会、日本歯科医師会と共に『三師会』と呼ばれる医療職の連携をもとにしており、それによって医療制度全体の向上に向けた提言も行っています。

主な事業内容

日本薬剤師会は、薬剤師の社会的地位を向上させるために多岐にわたる事業を行っています。その一つが啓発活動で、薬の適切な使用方法や副作用についての情報を広めることに力を入れています。また、薬剤師としての倫理的な行動を守るための指針や、医療の質の向上を目指す研修会や学術大会も定期的に開催しています。

日本薬剤師会学術大会

1968年から開催されている日本薬剤師会学術大会では、薬剤師の役割や地域医療に関連するテーマについて多くの学術発表が行われます。この大会は、在宅医療や介護、OTC（一般用医薬品の販売）、そして公衆衛生分野に関連する薬剤師の活動などを体系的に学べる場となっています。特に、地域医療の重要性がますます高まっている現代において、薬剤師の役割は多様化してきており、こうした大会を通じて最新の情報や技術を学ぶことが不可欠です。

検査活動の重要性

日本薬剤師会の傘下には、各地方薬剤師会が設置した検査センターや衛生試験場があります。これらの機関は、薬剤師法に基づいて公衆衛生の向上を目的にした様々な検査を行っています。飲み水や医薬品関連製品の検査の他、環境保全を目的としたPCB検査や温泉分析、放射能検査なども手掛けています。各センターは、その地域特性に応じた検査を行い、時には地域唯一の専門機関として重要な役割を果たしています。

歴代会長

日本薬剤師会の歴代会長には、初代の正親町実正氏をはじめ、様々なリーダーが存在します。特に、薬剤師の活動が広がりを見せた昭和中期から後期にかけては、薬剤師会が医療の質を向上させるために重要な役割を果たしてきました。会長職は、会の運営だけでなく、国民の健康を守るという大きな使命を持っています。

その他の関連団体

日本薬剤師会の活動は、他の薬剤師団体とも連携しながら進められています。例えば、日本病院薬剤師会やJACDS勤務薬剤師会、日本女性薬剤師会などがあり、共に薬剤師の職能の向上を目指しています。これらの団体と協力し合うことで、より良い医療環境の実現に寄与しています。

日本薬剤師会は、薬剤師の専門性を生かしつつ、地域医療や公衆衛生にも貢献する重要な組織です。

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