春日山城

春日山城の概要

春日山城（かすがやまじょう）は、新潟県上越市春日山町に位置する中世の山城です。この城は、越後国頸城郡中屋敷に築かれ、主に長尾氏の居城として、戦国武将上杉謙信によって知られるようになりました。春日山城の跡地は日本の国指定史跡に選定されており、日本五大山城の一つとも言われています。

歴史的背景

春日山城の築城は南北朝時代に遡ると言われ、当時の越後国守護である上杉氏が、越後府中の館の詰め城として建設したのが始まりです。1548年には長尾景虎（後の上杉謙信）がこの城に入城しました。春日山の山頂に築かれたこの城は、天然の要害として知られ、非常に難攻不落とされていました。ここでは為景、晴景、上杉謙信、上杉景勝の四代にわたり居城とされていました。

また、名称の由来は、奈良の春日大社に由来するとされ、その中には春日神社が築かれています。春日山城の周辺は、要塞のように配置された支城や砦が存在し、これにより地域の防衛が図られていました。城を守るための軍事道路も設けられており、戦略的な位置にあったことがうかがわれます。

春日山城の変遷

1607年、当時の越後を支配していた堀氏が、福島城を築城したため春日山城は廃城となりました。このとき、春日山城は多くの支城や砦とともに役目を終え、その後は地域の神社や寺院などにその名を残していきます。特に、林泉寺の惣門は春日山城の搦手門を移築したとされています。

春日山の遺構

発掘調査によって、石垣や瓦などの遺物は見つかっていませんが、2009年には厳密な時代考証に基づいた復元模型が完成し、越後上越天地人博で展示されました。春日山城は、その広大な支城や砦群と合わせて、広義には非常に大きな城郭を構成していたと考えられています。

近年では春日山神社や毘沙門堂などの歴史的建物が復元され、地域の観光地としても人気を集めています。特に毎年8月下旬には「謙信公祭」が行われ、武者行列や鉄砲隊の実演が地域の人々や観光客を楽しませています。

アクセスと観光施設

春日山城跡には、えちごトキめき鉄道の春日山駅を下車し、西へ徒歩約30分の距離に位置しています。また、自動車では北陸自動車道の上越ICから約15分の場所にありますので、アクセスも良好です。周辺には春日神社や林泉寺、春日山城跡史跡広場など、歴史を感じることができる観光スポットがあります。

映像作品と文化

春日山城は、多くの映画やテレビドラマで上杉謙信を主人公にした作品に登場しています。「天と地と」や「風林火山」といった主題の作品があり、上杉謙信の物語は今なお人々の記憶に残っています。上越市の歴史的な背景を体験するために、訪れる価値がある場所として、多くの人々に親しまれています。

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