暮しの手帖

雑誌『暮しの手帖』の魅力と歴史

『暮しの手帖』は、日本の家庭をサポートする総合生活雑誌であり、東京都千代田区内神田に本社を置く暮しの手帖社が発行しています。1946年に創刊され、現在に至るまで多くの家庭の生活に寄与してきました。この雑誌は特に、家庭婦人層に向けたファッションや料理、健康情報などを中心に、生活に役立つ内容が豊富に掲載されています。

創刊の経緯

『暮しの手帖』の歴史は、1946年に花森安治と大橋鎭子が設立した「衣装研究所」に始まります。この時期に刊行された『スタイルブック』が前身とされ、1948年には季刊誌『美しい暮しの手帖』が創刊されました。1953年には現在のタイトルに変更され、その後6回を年に発行する隔月刊に転換しました。特に1956年には、婦人家庭雑誌に新しい形式をもたらした功績が評価され、第4回菊池寛賞を受賞しました。

様々なコンテンツ

同誌は様々なテーマを網羅しており、特に家庭に関連するファッション、料理、生活用品のテスト記事が大きな特徴です。例えば、2007年までは生活必需品の品質テストが行われ、特定の商品が実際に使用される状況で評価されました。このテストは日本の工業製品品質の向上にも寄与し、製品の客観的な評価を目的としたものでした。なお、商品テストは納得のいく結果を得るため、工夫を凝らした手法で実施され、海外メディアとなるアメリカの『コンシューマー・レポート』に影響を受けたこともあります。

また、長年にわたって多くの連載記事も掲載されており、作家や評論家によるエッセイも目を引きます。中でも大橋のエッセイや今村賢司の作品は、多くの読者に支持されています。

編纂と編集

2019年には第5世紀が始まり、編集長には北川史織が就任しました。2007年からは松浦弥太郎が編集長を務め、そこから現代的なスタイルを取り入れました。その後、澤田康彦が新たな編集長として編集方針を引き継ぎ、内容の多様化を進めています。政治的な議題も取り上げられるようになり、時代の変化に即した情報提供が行われています。

現在と未来

最近では、NHKの連続テレビ小説『とと姉ちゃん』が本誌の創業をモチーフにしたストーリーとして放送され、幅広い世代に新たなファンを生むきっかけとなりました。特別付録として復刻版が特集されるなど、伝統を大切にしつつ新しい試みにも挑戦しています。

『暮しの手帖』は広告を外部から受け取らず、自社関連の書籍のみを掲載する方針も貫いており、信頼性のある情報提供を目指しています。長い歴史を持つこの雑誌は、今後も家庭生活を豊かにする情報源として愛され続けることでしょう。

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