有吉京子

有吉京子の生涯と漫画の世界

有吉京子は、1950年9月14日に熊本県熊本市で生まれました。2歳ずつ年の離れた三人姉妹の次女として育ちました。1963年に九州女学院中学校に進学し、中学2年生の頃から漫画の投稿を始めました。編集者からの激励の手紙に励まされ、漫画家を志すようになります。1969年に九州女学院高等学校を卒業後、漫画家を目指して上京を決意します。アルバイトで費用を稼ぎ、姉の援助も得て、19歳の秋に上京しました。

上京から約1年後の1971年、有吉は「仔ネコと少女」で第9回マーガレットまんが研究生に入選し、『別冊マーガレット 夏の増刊号』に掲載され、漫画家としてデビューを果たしました。ほぼ同時期に『週刊マーガレット』にも読み切りのバレエ漫画「白鳥の歌をきいて！」を発表しています。

当時、編集部からは学園漫画が求められていましたが、有吉はデビュー当初からバレエ漫画への強い想いを抱いていました。デビューから5年ほど経った頃、担当編集者が変わったことをきっかけに、以前から描きたいと思っていたバレエ漫画への想いを訴えます。その結果、10週で完結するという約束で、1976年、『週刊マーガレット』47号から『SWAN』の連載を開始しました。しかし、『SWAN』は当初の予定を大幅に超え、5年を超える長期連載となりました。

バレエ漫画の金字塔『SWAN』

『SWAN』は、バレエの世界を舞台に、主人公の少女がバレリーナとして成長していく姿を描いた作品です。その繊細な描写とドラマチックな展開は、多くの読者を魅了し、バレエ漫画の金字塔として評価されています。シリーズ累計発行部数は2000万部を超える大ヒットを記録しました。

その他の作品

有吉京子は、『SWAN』以外にも数多くの作品を発表しています。

「仔ネコと少女」（『週刊マーガレット』1971年7月20日増刊号）
「白鳥の歌をきいて！」（『週刊マーガレット』1971年32号）
「ゆるしてママ！」（『週刊マーガレット』1971年9月5日増刊号）
「負けられません！」（『週刊マーガレット』1971年33号 - 36号）
「潮騒がぼくの心に」（『週刊マーガレット』1971年41号 - 44号）
「恋はおしの一手！」（『週刊マーガレット』1971年50号）
「その朝粉雪がふった」（『週刊マーガレット』1972年1号）
「なにクソッ 天才！」（『週刊マーガレット』1972年4・5合併号 - 10号）
「青き獅子らは…！」（『週刊マーガレット』1972年15号 - 20号）
「センセーに敬礼！」（『週刊マーガレット』1972年24号 - 35号）
「もうセマらないで！」（『週刊マーガレット』1972年41号 - 48号）
「エルよわたしの心に」（『週刊マーガレット』1973年4・5合併号）
「かえ玉はおことわり！」（『週刊マーガレット』1973年8号 - 17号）
「求む！花ムコどの」（『週刊マーガレット』1973年26号 - 33号）
「花かんむりのおもいで」（『週刊マーガレット』1973年22号）
「意地っぱり大作戦！！」（『週刊マーガレット』1973年41号 - 49号）
「飛べ！ペガサス」（『週刊マーガレット』1974年4・5合併号 - 14号）
「キャベツ館の子どもたち」（『週刊マーガレット』1974年21号）
「パリパリ・ローマ・東京…！デュデュの大冒険」（『週刊マーガレット』1974年28号 - 45号）
「3時だよ！せんとう開始」（『週刊マーガレット』1975年2・3合併号 - 15号）
「白い森の決闘」（『週刊マーガレット』1975年27号 - 28号）
「青春キック・オフ！」（『週刊マーガレット』1975年36号 - 1976年19号）
「ユニコーンと相棒たち」（『週刊マーガレット』1976年27号 - 37号）
『アプローズ -喝采-』シリーズ
『ニジンスキー寓話』
『ヴァルナ・コレクション』
『ブルージュ ーアプローズー』
『Voyage（ボワイヤージュ）-旅-』
『サンフランシスコ物語』
『天使の棲む家』
『救世主入門』
『カルマ狩り』
『面（おもて）』
『家』
『Maia まいあ—SWAN act II』

画集

有吉京子は、自身の画集も出版しています。

『週刊マーガレット特別編集 SWANオールカラーイラスト全集』（集英社、1977年）
『バレエ・ダンサー』（新書館、1986年1月）
『有吉京子画集 SWAN』（平凡社、2023年7月）

有吉京子の功績

有吉京子は、少女漫画の世界において、バレエという題材を深く掘り下げ、芸術性の高い作品を数多く生み出してきました。その作品は、多くの人々に感動と影響を与え、今日でも多くの読者に愛され続けています。

もう一度検索