有栖川有栖

有栖川有栖について

有栖川有栖（ありすがわ ありす、1959年4月26日生まれ）は、日本の著名な小説家であり推理作家です。彼は現在、大阪府に近い東住吉区で誕生しました。上宮高等学校を経て同志社大学法学部法律学科を卒業し、本名は上原正英（うえはら まさひで）です。

経歴の概要

彼の文筆の道は、小学校5年生の時に推理作家を夢見たことから始まります。中学時代には『大いなる殺人』という長編を執筆し、江戸川乱歩賞に応募しましたが、残念ながら落選しました。しかし、挑戦は続き、高校生時代には『ぼだい樹荘殺人事件』や『宇宙空間の消失』を新たに執筆し、幻影城新人賞にも挑むも再び落選します。

大学で推理小説研究会に所属しながら、機関誌『カメレオン』に小説や評論を掲載していく中で、彼の才能は少しずつ広まっていきました。卒業後は大手書店に勤務しながら、1984年には『月光ゲーム Yの悲劇'86』を江戸川乱歩賞に応募しますが、予選通過には至りませんでした。

出版と評価

1986年には、大学時代に改稿した作品が鮎川哲也の編纂した鉄道ファンタジーアンソロジー『無人踏切』に収められ、この経験がその後のキャリアにおいて重要な意味を持ちます。1989年に『月光ゲーム Yの悲劇'88』が出版され、東京創元社の戸川安宣編集長に評価されることで本格的に作家デビューを果たしました。

1992年には、彼の代表作となる学生アリスシリーズの第3作品『双頭の悪魔』がミステリランキングに初めて名を連ね、高い評価を受けました。この成功を受け、兼業作家から専業作家へと転身。
1996年には文芸その他部門で咲くやこの花賞を受賞し、以後も数多くの受賞歴を持ちます。

作風とテーマ

有栖川の作風には前期エラリー・クイーンの影響が強く、彼の作品に共通するのは「読者への挑戦」という理念です。代表作である「学生アリス」シリーズには、探偵の江神二郎と、火村英生という人物が登場し、物語は大阪を舞台に展開します。

作品の舞台は多くが故郷の大阪とその周辺ですが、大学時代の旅先や他の地域も舞台に取り入れています。また、推理小説における「不思議の国のアリス」へのオマージュも多く見られ、特に文庫本の後書きではキャラクターの一部を取り入れています。

受賞歴

受賞歴にも多岐にわたり、1996年には『蝶々がはばたく』で日本推理作家協会賞（短編部門）にノミネートされ、2003年には『マレー鉄道の謎』で日本推理作家協会賞を受賞しました。さらに、2008年には本格ミステリ大賞を受賞し、2022年には日本ミステリー文学大賞も受賞するなど、数々の栄誉を手にしています。

メディア展開

その作品は小説だけでなく、テレビドラマやゲームにまで広がっています。特に、彼のキャラクター火村英生を基にした映像作品も多く、視聴者に親しまれています。特に、安楽椅子探偵シリーズは、視聴者が謎解きに参加できるスタイルとして高い人気を誇ります。

有栖川有栖はその活動を通じて、日本のミステリー界に多大な貢献をしており、今後の活躍が期待されている作家です。彼の作品は、多くの読者やファンに対して、推理小説の魅力を存分に伝え続けています。

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