札幌国際短編映画祭

札幌国際短編映画祭（SAPPOROショートフェスト）

札幌国際短編映画祭は、日本の北海道札幌市で開催される国際的な短編映画の祭典です。「SAPPOROショートフェスト」の愛称で知られ、2006年からSAPPOROショートフェスト実行委員会と札幌市が中心となって運営されています。この映画祭は、世界中から集められた個性豊かなショートフィルムを紹介し、映画文化の振興や映像産業の発展を目指しています。

開催概要

映画祭は例年、秋季（9月または10月頃）に約1週間程度、札幌市内中心部の札幌プラザ2・5などを主な会場として開催されます。上映される作品は、わずか1分程度の超短編から、最長でも30分以内のショートフィルムが中心です。世界各国から公募された多様なジャンルの作品がスクリーンを彩ります。

上映プログラムは、メインとなるオフィシャルプログラムのほか、コンペティション対象外のユニークな特別プログラムが組まれています。さらに、国内外で活躍する著名な映画監督や関係者を招いたフォーラムやディスカッションを通じて、映画表現や業界の現状について深く掘り下げます。未来を担う子どもたち向けのワークショップも実施され、映画製作の楽しさを体験する機会を提供しています。

また、この映画祭の重要な特徴の一つとして、日本では数少ない本格的なフィルムマーケットが開催される点が挙げられます。これは、映像コンテンツ産業の育成と支援を目的としており、作品の流通促進や新たなビジネスチャンスの創出を目指しています。映画祭事務局は、札幌市白石区にあるインタークロス・クリエイティブ・センター（ICC）内に置かれています。

沿革

札幌における短編映画祭の歩みは、1999年に日本初の本格的なショートフィルム映画祭として始まったショートショートフィルムフェスティバルのナショナルツアーとして、2000年に誕生した「ショートショートフィルムフェスティバルin北海道」に遡ります。このイベントは開始以来、延べ2万人を超える来場者を集める規模に成長しました。ナショナルツアーの枠を超え、北海道独自のスペシャルプログラムを企画するなど、独自の取り組みを展開していきました。

国際的なつながりも深め、2004年にはアメリカのCIFF（California Independent Film Festival）とシスターフェスティバル提携を結んでいます。

そして2006年、札幌市内の企業や志を同じくする人々で構成される実行委員会が中心となり、札幌市民や学生などが企画や運営に参加する市民参加型の新しい映画祭として、「札幌国際短編映画祭（SAPPOROショートフェスト）」が正式に誕生しました。

コンペティション

SAPPOROショートフェストでは、ユニークな形式を含むコンペティションを実施しています。主な部門は以下の通りです。

• - フィルムメーカー部門: 世界でも珍しいエントリー方式で、映画監督自身が自身の監督作の中から3本以上の作品を選び、合計45分以内のプログラムとして応募する部門です。
• - 作品部門: 個別作品ごとに応募する部門で、インターナショナル、ナショナル（日本国内作品）、チルドレン（子ども向け作品）のカテゴリがあります。

賞

コンペティションの受賞作品は、国際審査員とSAPPOROショートフェスト実行委員会が中心となって厳正に選考されます。主要な賞として、2つのグランプリが授与されます。

• - グランプリ: フィルムメーカー部門グランプリ、作品部門グランプリ

その他、多岐にわたる審査員賞や特別賞が設けられています。

• - 審査員賞: 最優秀国内作品賞、最優秀北海道作品賞、最優秀監督賞、最優秀作曲賞、最優秀脚本賞、最優秀撮影賞、最優秀編集賞、最優秀男優賞、最優秀女優賞、最優秀子役賞、最優秀学生監督賞、最優秀チルドレン・ショート賞、最優秀ミニショート(10分以内)賞、最優秀ベリーショート(3分以内)賞、最優秀ノンダイアログ賞、最優秀アニメーション賞、最優秀ドキュメンタリー賞、最優秀コンテンポラリー/エクスペリメンタル・ショート賞、最優秀美術賞など
• - オーディエンス・アワード: 観客投票によって選ばれる賞です。
• - SAPPOROショートフェスト特別賞: 映画祭が特に重要と考えるテーマに沿って授与される賞で、2008年以降、環境賞、子ども審査員賞、平和賞などが設けられています。

札幌国際短編映画祭は、多様なショートフィルムを紹介し、国際交流を深め、地域における映画文化の振興と映像産業の発展に寄与する重要なイベントとなっています。

もう一度検索