東京湾炎上

東京湾炎上

『東京湾炎上』（とうきょうわんえんじょう）は1975年7月12日に公開された日本の特撮映画で、東宝映画と東宝映像が制作、配給も東宝が手掛けました。この作品はカラーでシネマスコープ形式で製作され、同時上映には『がんばれ!若大将』がありました。

概要

本作は、石油を載せたタンカーがテロリストに奪われ、その乗組員たちが直面する危機と政府の対応を描いたパニック[[映画]]です。公開当時、日本では『日本沈没』や『ノストラダムスの大予言』といったパニック[[映画]]が人気であり、また前年に起きた第十雄洋丸事件などの石油関連の事故から影響を受け制作されました。原作は田中光二による『爆発の臨界』で、彼は撮影現場を訪れるなどしてリサーチを行っています。

制作の背景

元々、舛田利雄が監督を予定していましたが、脚本に留まることになりました。そのため、映画デビュー作となる金沢碧がヒロインとして起用されるなど、新しい才能も現れました。

あらすじ

物語は、原油を積んだマンモスタンカー「アラビアンライト号」が浦賀水道を航行中に、テロリストグループにシージャックされるところから始まります。彼らは、原油メジャーの排除と資源ナショナリズムを掲げ、乗組員を人質に取り、「アラビアンライト号」を爆破しない条件として、テレビ中継を通じてその様子を公開することを要求します。24時間以内に他のタンカーが爆発するという予告が真実となれば、東京湾の人々にとって悲劇的な結果をもたらします。

政府はあらゆる手段を使って人質解放の交渉を試みますが、時間を稼ぐことに尽力する一方、乗組員の中での緊張感は高まり、混乱が深刻化します。時限爆弾の存在やその解除が迫られ、ストーリーが緊張感を増していく中、情勢は次第に手に負えない方向へ進みます。

映像技術と撮影

本作は特撮技術が駆使されており、特殊美術スタッフによって作られたミニチュアが活用されています。一方で、実際の炎を用いた場面もあり、リアリティに力を入れた施工がされています。また、船舶や爆発シーンの撮影にはさまざまな工夫が凝らされ、特撮の分野での新たな挑戦とも言えます。

キャスト

キャストには多くの著名な俳優が登場し、特に宗方船長役の丹波哲郎や館次郎役の藤岡弘らが印象に残ります。また、テロリスト役として水谷豊がムンクという名で出演し、劇中での演技が際立っています。

音楽と公開後の反響

音楽は鏑木創が担当し、主題歌には橋本葉子が歌った「あなたは旅人」が起用されました。本作はその後も映像ソフトとして発売され、特にDVDやサウンドトラックがリリースされています。1970年代の代表的な特撮映画の一つとして、今もなお多くの人に親しまれています。

まとめ

『東京湾炎上』は、テロリズムの脅威とそれに立ち向かう人間たちの姿を描いた作品であり、日本の映画史における重要な作品の一つです。特撮技術や脚本、演技など、さまざまな要素が組み合わさり、多くの観客に感動を与えました。

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