東方駅

東方駅の概要

東方駅（ひがしかたえき）は、三重県桑名市に所在したかつての近畿日本鉄道養老線の駅です。この駅は1964年に開業され、1986年に定期貨物列車の運行が終了するまで、貨物駅としての役割を果たしていました。貨物取扱の廃止後には東方信号場に改称され、現在も信号場としての機能を保ち続けています。

鉄道駅としての歴史

東方駅は1964年3月10日に開業され、当初は住友セメント桑名サービスステーションへのセメント輸送のために設置されました。この駅は、セメント貨物列車の発着が整備されたことにより、重要な輸送拠点となりました。特に、大垣駅からのセメント輸送には欠かせない駅であり、同サービスステーションへ向けた専用線も分岐していました。

しかし、1986年10月31日をもって定期貨物列車は廃止され、その結果として駅としての機能は失われました。1991年には東方信号場に改称され、現在もその名で呼ばれています。

台車交換作業の役割

東方駅の特徴的な役割の一つは、養老線の車両の検査時に行われる台車交換作業です。養老線の車両は、定期的に近鉄名古屋線の塩浜検修工場で検査を受ける必要がありますが、1959年に発生した名古屋線の標準軌への改軌により、養老線の車両は直接的に工場に入出場できなくなりました。

この状況を受けて、東方駅に台車交換場が整備され、養老線の本線とは別に名古屋線に接続する標準軌の線路が敷設されました。ここでは、養老線の車両が名古屋線の電気機関車や電動貨車に牽引される際に、標準軌の仮台車への交換が行われています。貨物取扱の廃止後も、この台車交換作業は続けられており、養老線の経営分離が行われた後もその機能は継続しています。

近隣の駅と位置関係

東方駅の隣接駅には、桑名駅と播磨駅があります。養老線の重要な路線に位置しているため、周辺他駅との関係も密接です。これは地元の輸送ネットワークの一部として、地域経済にも影響を及ぼしていました。

結論

東方駅は、三重県桑名市に存在した歴史的な鉄道駅であり、その役割は単なる交通手段以上のものでした。貨物輸送の拠点としての重要性は、地域産業へも貢献し、さらにその後も信号場としての機能を通じて、廃駅となった今でもその存在感を示しています。過去の歴史や現在の利用状況について理解を深めることは、地域の鉄道に対する知識を広げる良い機会となるでしょう。

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