東洋大学井上円了記念博物館

東洋大学 井上円了記念博物館

東洋大学井上円了記念博物館（とうようだいがくいのうええんりょうきねんはくぶつかん）は、その名の通り東洋大学によって運営されている大学博物館です。この施設は、2005年4月に東京都文京区の東洋大学白山キャンパス内に開設されました。具体的には、キャンパス内にある「井上記念館」として知られる5号館の一角に位置しています。

設立の意義と展示内容

この博物館の設立は、東洋大学の創立者である井上円了の功績を顕彰し、その思想や活動を広く伝えることを目的としています。展示の中心は常設展示室にあり、以下の三つの柱を中心に構成されています。

1. 井上円了に関する展示: 井上円了（1858年 - 1919年）は、明治期の日本の教育者、哲学者として知られ、近代的な教育機関としての東洋大学の前身を設立しました。彼の生涯、哲学思想、教育に対する情熱、そして社会啓蒙活動に関する貴重な資料や展示品を通じて、その多角的な人物像に触れることができます。
2. 妖怪学に関する展示: 井上円了は、哲学や教育に加え、「妖怪学」というユニークな分野を探求したことでも知られています。これは、当時の人々の間に広まっていた迷信や不可思議な現象を、心理学や哲学、科学的な視点から分析し、合理的に解明しようとする試みでした。博物館では、彼の妖怪学に関する研究成果や関連資料が展示されており、近代日本における科学的思考の普及と迷信打破に向けた彼の取り組みを知ることができます。
3. 東洋大学に関する展示: 東洋大学の設立に至る経緯から、その後の発展の歴史、学術的な取り組み、そして現代に至るまでの歩みに関する資料が展示されています。創立者である井上円了の理念がいかに大学に引き継がれ、発展してきたのかを理解することができます。

これらの常設展示を通して、来館者は井上円了の思想の深さ、彼のユニークな探求分野である妖怪学、そしてその精神を受け継ぐ東洋大学の歴史と現状について、体系的に学ぶ機会を得られます。大学博物館としての性格上、学術研究の成果の一端を示す場であるとともに、学生や教職員だけでなく、一般市民にも開かれた教育施設としての役割を担っています。

利用案内

東洋大学井上円了記念博物館は、多くの人々に井上円了の世界を知ってもらうため、そして学術資源を共有するために、入館料は無料となっています。これは、気軽に立ち寄って学びを得られる大きな利点と言えるでしょう。

開館時間は以下の通りです。

月曜日から金曜日: 午前9時30分から午後4時45分まで
土曜日: 午前9時30分から午後0時45分まで

定休日は、毎週日曜日と国民の祝日です。また、年末年始の期間や、東洋大学が定めた施設の閉鎖日も休館となりますので、来館前に最新の情報をご確認いただくことをお勧めします。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、最寄りの鉄道駅からのアクセスは非常に便利です。

東京都交通局（都営地下鉄）三田線の白山駅からは、徒歩でおよそ5分です。
東京メトロ南北線の本駒込駅からも、同様に徒歩でおよそ5分で到着します。

どちらの駅からもアクセスしやすい立地にあるため、都内からの訪問者にとって利用しやすい博物館と言えるでしょう。

東洋大学井上円了記念博物館は、大学創立者の豊かな思想とユニークな研究、そして大学自身の歴史を知ることができる、貴重な学びの場です。無料で公開されており、気軽に立ち寄れるため、学生や地域住民はもちろん、井上円了や妖怪学に関心のある方にとって、必見の施設と言えるでしょう。

もう一度検索