東遊園地

東遊園地について

東遊園地は兵庫県神戸市中央区に位置する都市公園で、神戸市に管理されています。公園は神戸市役所本庁舎の南隣にあり、フラワーロードの西側に広がっています。公園名の「遊園地」は日本語での「公園」と同義とされていますが、現在一般的に知られている遊園地とはその意味が異なる点に注意が必要です。また、公園名に付けられた「東」は、神戸外国人居留地の東側に位置することに起因しています。

2021年からの再整備工事を経て、2023年4月7日にリニューアルオープンしました。この際、英語名「KOBE EAST PARK」と併用されることになりました。

歴史的背景

東遊園地の起源は、1875年に外国人専用の公園として開園された「外国人居留遊園」にさかのぼります。この公園は、日本で最初の西洋式運動公園とされ、当初はクリケットやフットボールなどのグラウンドが整備されました。また、ここで行われたスポーツが日本国内に広まり、野球やサッカー、ラグビーなどの普及に寄与したとされています。

開園当時、その背景には1866年に発生した横浜居留地の火災がありました。江戸幕府は外国公使団との間に締結された条約に基づき、外国人と日本人が共用できる遊園の設立を義務付け、それが神戸における公園建立につながりました。その後、名称は数度の変更を経て、1922年から「東遊園地」として統一されました。

1869年からは、駐在外国人の交流の場である「ユニオン・クラブ」が公園内に設立され、ここで日本人がボウリングを楽しむ機会が増えました。この歴史的な背景があるため、東遊園地はボウリングの発祥の地ともされています。

現代の東遊園地

1995年に発生した阪神・淡路大震災の影響は、公園にも深刻なものでした。震災後、公園には震災の記憶を伝えるモニュメントや、追悼のための行事が定期的に行われています。特に毎年1月17日には「1・17のつどい」と題した追悼行事が行われ、逝去者への黙祷が捧げられています。

震災後の復興にともない、1995年以降に設置された「慰霊と復興のモニュメント」をはじめ、震災をテーマにした展示物も増加しました。震災関連のモニュメントは、神戸市民の強い結束を象徴する存在となっています。

リニューアルの詳細

2021年10月から2023年4月のリニューアルまでには、さまざまな新しい施設が公園に導入されました。「URBAN PICNIC」と名付けられたカフェエリアは、気軽に集いが持てるスペースとして人気を集めています。また、「芝生ひろば」「みちひろば」などが新設され、地域のイベントや市民の交流、さらには観光客にとっても魅力的な空間へと生まれ変わりました。

特に「こども本の森 神戸」は2023年にオープンし、子どもたちに文化と知識を提供する重要な施設として機能しています。日本人の著名な俳優である竹下景子を名誉館長に迎えるなど、地域との連携を強化する取り組みも見られます。

リニューアル後の東遊園地は、過去の歴史を尊重しつつ、現代的な利用促進を図る場として進化を続けています。地元住民や観光客にとって、親しみをもって利用できる公園であり続けることを目指していることが伺えます。今後も、東遊園地が地域文化や交流の場として多くの人々に親しまれることが期待されています。

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