松井聡

松井 聡（まつい さとし）は、1951年7月28日生まれの日本の政治家であり、岐阜県羽島市の市政を率いる現職市長である。現在、4期目を務めている。

来歴

岐阜県羽島市の竹鼻町狐穴で生まれた松井は、地元の小中学校、高校を経て、中央大学経済学部で学んだ。大学卒業後、1974年4月に故郷である羽島市の市役所に入庁。長きにわたり行政の現場に身を置き、市民部長、企画部長、市民病院事務局長、教育委員会事務局長、会計管理者といった要職を歴任し、市政の多岐にわたる分野で経験を積んだ。

2012年3月に市役所を退職後、同年4月には公益財団法人岐阜県市町村振興協会での勤務を経て、同年11月に行われた羽島市長選挙に立候補した。この選挙では、現職候補をわずかな票差で破り、激戦を制して初当選を果たし、同年12月21日に第7代羽島市長に就任した。

市長としての歩み

2012年の初当選以降、松井市長は連続して選挙を勝ち抜いている。2016年の市長選挙では他の立候補者がなく、無投票での再選を果たした。続く2020年の選挙では2人の新人候補を退けて3期目の当選。そして2024年の選挙においても3人の新人候補を破り、4期目の当選を果たし、長期にわたり羽島市政を担っている。

市政運営と人物像

松井市長の市政運営や人物像にはいくつかの特筆すべき点がある。

特定の宗教団体との関わり

経歴において特筆される点の一つに、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）の関連団体との関係がある。2019年6月には、関連団体が共催する安全保障関連の集会に来賓として出席し、安保法制の拡充や憲法改正の必要性について言及した。また、この集会で平和大使に任命されたほか、関連イベントに複数回（4回）祝電を送っていたことも明らかになっている。これらの関係について、2022年9月の市議会で議員から質問を受けた際には、「背後関係について十分に確認できていなかった」と述べ、反省の意を示した。

財政規律への姿勢

市の財政状況に貢献するため、松井市長は初当選以来、条例で定められている自身の給与月額から継続的な減額を実施している。通常は約22.6％の減額率を適用してきたが、2020年5月には新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた緊急対策として、同年6月から6カ月間にわたり、給与減額率を30％に引き上げる方針を示すなど、財政的な負担軽減に努める姿勢を示している。

学術分野での活動

市政の傍ら、2019年4月からは関西学院大学大学院経営戦略研究科の国内客員教授を務めるなど、教育・研究分野にも関わっている。

長年の行政経験を背景に羽島市のリーダーとして市政を運営する松井聡は、多選を重ねるとともに、財政への配慮や特定の団体との関係など、様々な側面を持つ政治家として知られている。

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