林忠彦賞

林忠彦賞：日本の写真界を彩る名誉ある賞

林忠彦賞は、戦後日本の写真界に多大な貢献をした写真家、林忠彦氏の功績を称えるため、1991年に徳山市文化振興財団（現・周南市文化振興財団）によって創設されました。木村伊兵衛写真賞、土門拳賞と並ぶ、日本を代表する三大写真賞の一つとして知られています。

林忠彦氏はアマチュア写真家の育成に尽力した人物として知られています。そのため、林忠彦賞は当初、アマチュア写真家の作品を対象とした写真賞として設立されました。写真展や写真集などが審査対象となり、日本のアマチュア写真界の発展に大きく貢献しました。

しかし、第18回からは対象がプロの作家にも拡大されました。これにより、林忠彦賞はアマチュアからプロまで、より幅広い写真家の作品を対象とする、日本の写真界を代表する賞へと進化を遂げました。

受賞者には、東京と周南市（周南市美術博物館）において写真展を開催する機会が与えられます。これは受賞者にとって、自身の作品を広く世に知らしめる絶好の機会となります。さらに、受賞作品は周南市美術博物館に永久保存されるという栄誉も得られます。これは、受賞者の作品が日本の写真史に刻まれることを意味し、受賞者にとって大きな誇りとなるでしょう。

受賞者と受賞作品

長年にわたる林忠彦賞の歴史において、多くの優れた写真作品が受賞してきました。以下は、過去の受賞者と受賞作品の一部です。

第1回～第10回

第1回：後藤正治「西域－シルクロード」（写真集）
第2回：捧武「田園の微笑」（写真集）
第3回：木村仲久「静岡の民家」（写真集）、田崎力「たかちほ」（写真集）
第4回：長洋弘「帰らなかった日本兵」（著書）
第5回：岡田満「追いつめられたブナ原生林の輝き」（写真集）
第6回：井上冬彦「サバンナが輝く瞬間（とき）」（写真集）
第7回：井上暖「ぼくは、父さんのようになりたい」（写真集）
第8回：清水公代「天空の民」（写真集）
第9回：渡里彰造「Personal View〔視線の範囲〕」（写真集）
第10回：竹林喜由「塩の道　秋葉街道」（写真集・写真展）

第11回～第20回

第11回：角田和夫「ニューヨーク地下鉄ストーリー」（写真展）
第12回：石川博雄「静かな時への誘惑」（写真展）
第13回：飯田樹「海を見ていた－房総の海岸物語－」（写真集・写真展）
第14回：中條均紀「古志の里Ⅱ」（写真集・写真展）
第15回：田中弘子「繭の輝き」（写真展・雑誌掲載）
第16回：後藤俊夫「黄土高原の村／満蒙開拓の村」（写真集）
第17回：小林勝「長崎フォトランダム－長崎ば撮ってさらき、半世紀－」（写真集）
第18回：大西成明「ロマンティック・リハビリテーション～夢みる力・20の物語～」（写真集・写真展）
第19回：小栗昌子「トオヌップ」（写真集・写真展・雑誌掲載）
第20回：山内道雄「基隆」（写真集・写真展・雑誌掲載）

第21回～第30回、第31回～第40回

（受賞者・受賞作品は、スペースの都合上省略させていただきます。）

林忠彦賞は、写真表現の多様性と、写真を通して社会へのメッセージを発信する作品を高く評価する賞です。これからも、日本の写真界の発展に貢献していくことが期待されます。

林忠彦賞
周南市美術博物館

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